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2013年1月の記事一覧

 カナダでの研究で、高齢者における身体活動と認知機能との関連を調査したところ、定期的に高レベルの身体活動を行うことが、認知機能低下リスクを下げる可能性のあることが分かり、この効果は特に女性において顕著に見られました。

Physical Activity and Risk of Cognitive Impairment and Dementia in Elderly Persons FREE
Danielle Laurin, MSc; René Verreault, MD, PhD; Joan Lindsay, PhD; Kathleen MacPherson, MD; Kenneth Rockwood, MD
Arch Neurol. 2001;58(3):498-504. doi:10.1001/archneur.58.3.498
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川口利の論文抄訳

発行人の実兄。上智大学文学部卒。千葉県立高校の英語教師在任中に半年間の英国留学を経験。早期退職後に青年海外協力隊員となって、ホンジュラスで勤務、同じく調整員としてパナマで勤務。

 MRI画像を用いて、加齢によってどのように脳が変化するのかと有酸素運動の効果を調べたところ、加齢によって最も重大な影響を受ける領域は、有酸素運動の効果も最も大きいことが分かりました。

Aerobic Fitness Reduces Brain Tissue Loss in Aging Humans
Stanley J. Colcombe, Kirk I. Erickson, Naftali Raz, Andrew G. Webb, Neal J. Cohen, Edward McAuley, and Arthur F. Kramer
J Gerontol A Biol Sci Med Sci (2003) 58(2): M176-M180 doi:10.1093/gerona/58.2.M176

川口利の論文抄訳

発行人の実兄。上智大学文学部卒。千葉県立高校の英語教師在任中に半年間の英国留学を経験。早期退職後に青年海外協力隊員となって、ホンジュラスで勤務、同じく調整員としてパナマで勤務。

 米国での調査で、ビタミンE・ビタミンC・βカロテンの摂取量とアルツハイマー病発症リスクとの関連を調べたところ、食事からのビタミンE摂取量が多いことはアルツハイマー病リスクを下げるとの結果が出ました。前回と同じような研究ですが、結果は少し異なるようです。

Dietary Intake of Antioxidant Nutrients and the Risk of Incident Alzheimer Disease in a Biracial Community Study
Martha Clare Morris, ScD; Denis A. Evans, MD; Julia L. Bienias, ScD; Christine C. Tangney, PhD; David A. Bennett, MD; Neelum Aggarwal, MD; Robert S. Wilson, PhD; Paul A. Scherr, PhD, ScD
JAMA. 2002;287(24):3230-3237. doi:10.1001/jama.287.24.3230.

川口利の論文抄訳

発行人の実兄。上智大学文学部卒。千葉県立高校の英語教師在任中に半年間の英国留学を経験。早期退職後に青年海外協力隊員となって、ホンジュラスで勤務、同じく調整員としてパナマで勤務。

ベクレルの謎

 このたびの大震災は本当に甚大な被害をもたらしました。ご家族をなくされた方には本当に言葉もありません。一日も早い復興をお祈りしております。

(2011年4月、【山大GCOEコホート通信】vol.10 コラムとして配信)

成松宏人 山形大学グローバルCOEプログラム 先端分子疫学研究所 准教授

抗酸化ビタミンと認知症

 オランダのRotterdam Studyにおいて、抗酸化物質であるβカロテン・フラボノイド・ビタミンC・ビタミンEの食事からの摂取量とアルツハイマー病リスクとの関連を調査したところ、ビタミンCおよびビタミンEの摂取量が高いことは、アルツハイマー病リスクを低下させる可能性のあることが分かりました。


Dietary Intake of Antioxidants and Risk of Alzheimer Disease
Marianne J. Engelhart, MD, MSc; Mirjam I. Geerlings, PhD; Annemieke Ruitenberg, MD, PhD; John C. van Swieten, MD, PhD; Albert Hofman, MD, PhD; Jacqueline C. M. Witteman, PhD; Monique M. B. Breteler, MD, PhD
JAMA. 2002;287(24):3223-3229. doi:10.1001/jama.287.24.3223.

川口利の論文抄訳

発行人の実兄。上智大学文学部卒。千葉県立高校の英語教師在任中に半年間の英国留学を経験。早期退職後に青年海外協力隊員となって、ホンジュラスで勤務、同じく調整員としてパナマで勤務。

 隠れ脳梗塞の存在がその後の認知機能にどのような影響を与えるのか調査したところ、ベースライン時に隠れ脳梗塞があったかどうかにかかわらず、新たに隠れ脳梗塞が見つかった場合には、有意に認知機能が低下することが分かりました。

Silent Brain Infarcts and the Risk of Dementia and Cognitive Decline
Sarah E. Vermeer, M.D., Ph.D., Niels D. Prins, M.D., Tom den Heijer, M.D., Albert Hofman, M.D., Ph.D., Peter J. Koudstaal, M.D., Ph.D., and Monique M.B. Breteler, M.D., Ph.D.
N Engl J Med 2003; 348:1215-1222March 27, 2003DOI: 10.1056/NEJMoa022066

川口利の論文抄訳

発行人の実兄。上智大学文学部卒。千葉県立高校の英語教師在任中に半年間の英国留学を経験。早期退職後に青年海外協力隊員となって、ホンジュラスで勤務、同じく調整員としてパナマで勤務。

ダイエット甘味料は肥満の原因になる?という話を以前紹介しましたが、さらに驚く研究成果が報告されたそうです。よかれと思ってあえて摂っているダイエット甘味料が、体にとって逆効果であるばかりか、心まで蝕む可能性があるというのです......。

大西睦子の健康論文ピックアップ24

大西睦子 ハーバード大学リサーチフェロー。医学博士。東京女子医科大学卒業。国立がんセンター、東京大学を経て2007年4月からボストンにて研究に従事。

ハーバード大学リサーチフェローの大西睦子医師に、食やダイエットなど身近な健康をテーマにした最新学術論文を分かりやすく解説してもらいます。論文翻訳のサポートとリード部の執筆は、ロハス・メディカル専任編集委員の堀米香奈子が担当します。

 これまでに研究されてきた、運動と認知機能に関する結果の総評的論文です。ヒトにおいては、有酸素運動が認知機能低下予防に効果的らしいことが分かってきています。

Fitness, aging and neurocognitive function
Arthur F. Kramer ∗, Stanley J. Colcombe, Edward McAuley,
Paige E. Scalf, Kirk I. Erickson
Neurobiology of Aging 26S (2005) S124-S127
Received 21 August 2005; accepted 5 September 2005

川口利の論文抄訳

発行人の実兄。上智大学文学部卒。千葉県立高校の英語教師在任中に半年間の英国留学を経験。早期退職後に青年海外協力隊員となって、ホンジュラスで勤務、同じく調整員としてパナマで勤務。

ミス防ぐシステムを 他産業から学び構築

内側から見た米国医療2

反田篤志 そりた・あつし●医師。07年、東京大学医学部卒業。沖縄県立中部病院での初期研修を終え、09年7月から米国ニューヨークの病院で内科研修。12年7月からメイヨークリニック勤務。

 少し前のことになりますが、大阪地検特捜部の検事が証拠を改ざんしたしたということで、本人とその上司が逮捕されて大きなニュースになりました。

(2011年2月、【山大GCOEコホート通信】vol.9 コラムとして配信)

成松宏人 山形大学グローバルCOEプログラム 先端分子疫学研究所 准教授

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