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医療データ共有の難しさ

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この記事「病院間の情報共有インフラ不可欠」で指摘されている話はもっともだと頷いた。

 医療技術の発展はめざましいが、日本の病院医療には大きな欠陥もある。最たるものは病院間の情報共有ができない仕組みだ。病院間どころか、同じ病院内でさえ医局のぶあつい壁でデータ交換がままならない。大企業のサラリーマンが加入する健康保険組合をみても1年や半年に1度受ける健康診断の結果は、病院で受ける医療にはほぼ生かされていない。  根強いデータの囲い込み。「たいがいの医師はそれが当たり前だと思っています」。こう指摘する国際医療福祉大学大学院の高橋泰教授は「情報フォーマットを統一して、書類を簡素化し、全国統一の仕様のクラウド上で情報交換ができる仕組み」が必要だと提唱している。いま全国の自治体でデータヘルス計画が進んでいる。しかし自治体によって手法が異なり、このまま進めば全国同一のシステムは望めない。


医療では診療情報やレセプト情報、健診情報など、様々な情報が各医療機関や自治体などの中にデータとして残されているが(もちろんデータ化せずアナログの医療機関もあるが)、システムの違いなどから、医療機関や自治体間で共有しようとしても難しいという壁がある。

ロハス・メディカル論説委員 熊田梨恵

●データヘルス計画についてはこちら「曲がり角の国民皆保険 データヘルス計画ひっそり始まる」(ロハス・メディカル2015年11月号参照)をどうぞ。

これには、ただシステムが違うからデータ統一が難しいとか、システム会社による囲い込みがどうといった話だけでなく、記事中で指摘されているような医師や各機関のデータに対する権利についての考え方、行きつくところは既得権の話につながってくるから、結局なかなか進まないのではないか。

この話はずっと指摘されているのに、一向に進まないのは医療界の中でのヒエラルキー、既得権の構造の転換を迫られることになるからだろうかとも感じる。

国民のデータを、国民のために使えるようにぜひとも環境整備してもらいたいと願う。

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