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男性は「孤独」が死亡リスクになりやすい?

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面白い記事があった。『「さみしい男性」要注意、実は孤独も健康リスク

最近、地域包括ケアの中では必ず「本人と社会とのつながり、コミュニケーションが健康寿命を延ばす」「社会の中で役割を持つことが介護予防」という話が上がるが(参考記事「医者を選ぶより、友達を作ろう-医療法人悠翔会理事長・佐々木淳氏②」「生存期間延ばすのでなく、生活の質の追求を-下河原忠道氏が阪大で講演」)、コミュニケーションについては男女による差の話が出てきて興味深い。

ロハス・メディカル論説委員 熊田梨恵

筆者も自分のコミュニケーションを考えてみると、女性同士の場合は天気でもワイドショーネタでも何でも、ともすればポストが赤いことさえもネタにして「ただ話すだけ」ということができるのだが、男性とはそれがなかなか難しい。しかし名刺や肩書があると、男性と話すのは途端に楽になる。

堀米の書いたこの記事「なぜ、中小企業の社長や地域の世話役は、健康で長生きなのか。」も興味深かった。記事に出てくる調査で役職を持つ人の男女の内訳まで調べられているのかどうかは分からないが、調査対象の世代で世話役だったり役職を持ったりしているのは、多くの場合は男性だと思う。あくまで筆者の推測ではあるが、この話からも、(日本の)男性は役職や肩書があると、生き生きと行動しやすくなるのではないかなと感じた。

ちなみに、この記事で佐々木医師が講演中に「社会とのつながりと死亡率の関係 高齢者の孤食と死亡との関係」というスライド(写真)を示しながら軽く触れた話が面白かった。「同居」と「独居」、それぞれにおける「共食」「孤食」の数を出し、死亡リスクも出されているのだが、「同居」「独居」共に「孤食」の男性の死亡リスクは女性のそれより高かった。さらに、男性の「同居」の「孤食」の死亡リスクは、「独居」の「孤食」の死亡リスクより高かった、というのが興味深かった。この調査をどう捉えるかは色々あると思うが、男性は女性より「孤独」が死亡リスクになりやすいのだろうかとも思ったりした。

スライド.png

◆この記事に関連するロハス・メディカルの過去記事
それって本当? 笑わない人ほど不健康(2016年2月号)
それって本当? 前向きな気持ちが認知症リスクを下げる(2015年9月号)
 
◆「高齢者と社会とのつながり」については書籍「地域包括ケアの課題と未来」の中で「社会的包摂」(小野沢滋氏、渡邉姿保子氏、著)「貧困と健康」(近藤克則氏、小松俊平氏、香田道丸氏、著)などの項にも詳しくありますので、ぜひご覧ください。
 

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