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国内に急増するダブルケア、筆者も直面中
晩婚化により、親の介護と子どもの育児の両方を担う「ダブルケア」の状況になっている人が増えてきたと言われています。こんな記事を見つけました。「育児と介護の「ダブルケア」 仕事とどう両立 地域で相談し合い悩み軽減」
実は筆者もダブルケアの状況にあるのですが、正月明けには自分が体調を崩してしまいました。
ロハス・メディカル論説委員 熊田梨恵
記事によると、育児と介護を同時に担うダブルケアに25万人もの人が直面しているということ。
筆者も、遠方にいる両親がそれぞれ認知症とパーキンソン病を患っており、月に1、2回は2歳の息子を連れて帰っています。車で3時間以上かかるため、週末の往復はかなり大変です。
両親は老老介護の状態で、ケアマネジャーや介護保険サービスのお世話になりながらなんとかやっています。もし何かでガクンと状態が悪くなることがあったら、次の局面に入っていくと思うので、色々考えながら準備を進めています。
年末年始にはゆっくり休んで美味しいものを食べて...とできたのは20代まででした。今は実家で、両親が厳しい冬を過ごすための様々な用意、普段できていない行政などの手続き、ケアマネとのやり取り、ご飯を用意して洗濯して...などしていたらあっという間に過ぎてしまいます。もちろん息子の世話をしながら。相当疲弊します。
何よりも、弱っていく両親を見るのはかなり心身にこたえます。どうすれば少しでも楽に両親が過ごせるかなとケアの仕方を考えつつも、もう一人の自分は「このまま二人が弱っていったら・・・」と打ちひしがれたような思いになります。
この年末年始は、夫の実家と自分の実家の行き来もあったりして相当心身が疲弊してしまっていたようで、休み明けに疲れが出て寝込んでしまいました。
体力もですが色々考えてメンタルをやられていたのでなかなか回復せず、自分でも「まずいなあ、うつのスパイラル入ってきたなあ」と感じていました。
うつになると「太陽を浴びて」「運動をして」「規則正しい生活」が大事と言われます。
しかし、うつのスパイラル(私が勝手にこう呼んでいるだけです)に入っていくと、全身がそういったことを断固拒否するのです。「太陽なんか絶対いや」「運動なんて絶対いや」「食べたくない、動きたくない」と、「私は疲れてるんだ!」と体が全力で訴えてきます。こうなると、世の中で言われているポジティブ系のものを一切受け付けなくなるので、本当につらいです。そんな状態になっている自分を責め、さらに体力も気持ちも落ちる、そういうスパイラルです。頭で分かっていても何もできない、そういう状態です。
今回の私は時間薬、枯渇していたエネルギー補充、体力回復によって戻ってきたかなと思っています。
スパイラルにはまっている自分を責めるのをやめて、とにかく休む。休む。休む。贅沢だからと我慢していた外食に家族と行ったりもしました。
そんなこんなで、かなり回復してきました。
すみません、自分のしんどい話が大きくなってしまいましたが、何が言いたかったかというと、ダブルケアはかなり大変です。介護と育児そのものも大変ですが、担う本人の精神的なケアは必須だと思います。
先述の記事によると、ダブルケアに取り組みだした自治体もあるということ。ダブルケアは本人の大変さだけでなく、日本の活力自体が失われる話だと思います。個人の問題ではなく、社会全体の問題としての認識が広がっていったら、と思っています。
◆家族介護の負担をデータで表した衝撃的な記事はこちら。
「介護は家族で、の因習が日本の未来を暗くする」(ロハス・メディカル2014年10月号)