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ダブルケアに直面中②
先日「国内に急増するダブルケア、筆者も直面中」という記事を書きましたが、今後ダブルケアを担う人はさらに増えるだろうと思いますし、地域包括ケアが抱える課題の一つだと思っています。
こんな仕事をしている自分が渦中にいるのだから、何が大変なのかを記録しておくことは大切ではないかと考え、当事者の一人の声ということで残しておこうと考えました。
ロハス・メディカル論説委員 熊田梨恵
先週末の連休も実家に帰ってきました。
今回の大きなテーマは、土地。
筆者の実家は兵庫県豊岡市にありますが、田畑や山、川、海が近くにあり、広大な自然溢れる、要は田舎です。水道水も飲めますし、地元野菜や近郊で採れる海の幸や山の幸、神戸牛のルーツと言われる但馬牛の産地でもあり、食べ物がとても美味しいです。
筆者の実家は元兼業農家で、家の裏にわりと広い田畑があります。
今までは両親が耕作していましたが、体が追いつかなくなってきたため、来年の稲作をするか否かという問題が出てきました。
もう少し長期的に見て、今後、私と夫が土地を相続した場合に田畑をどうするかという問題もあります。
話し合った結果、①自分たちで耕作する②耕作したい他人に貸す③売る④放置―という選択肢が考えられる、ということになりました。
①といっても私たちの生活の基盤は大阪ですし、このご時世なかなか②③は厳しいです。とはいっても、大切な土地を④するのも...。と皆でとても悩みました。
この時に一つ問題があるのですが、父に聞いたところ「田んぼは微生物がつくる生態系でできていて、人間が手を入れて手伝っている。一年何もせずに放っておくと雑草が生え、元の田んぼに復活しづらくなる。3年放っておいたらもう難しい」とのこと。
②にしても①にしても、いつか稲作をするかもしれないと考えるなら「雑草を防ぐために田んぼに水を張るか、トラクターで耕しておくことは必要」とのこと。もしくは、美味しいお米ができるか否かはさておき、とりあえず稲を植えるだけ植えて、田んぼを続けておくという手もあると。
今後の可能性を考えて「④はしないで、何らか田んぼに手を入れておいた方がいいかなあ」という話が出ていますが、そうすると現在(月に1、2回の帰省)よりさらに頻繁に実家に帰ることになりますし、忙しくなります。私自身は両親が耕作するのを見てはいましたが、自分でやっていたわけではないため、分からないことだらけです。するといってもなかなか・・・キツイ・・・。
田んぼをやめて別の土地活用を・・・と考えるのも現状ではなかなか難しく。
田んぼの作業は3月ぐらいから始まるため、ゆっくり悩んでる暇はないため何か答えは出さなければいけませんが、悩ましい問題です。
実家に田畑があり、両親が高齢化しているという人は結構多いんじゃないかなと思います。その時に、この土地問題は相続にも絡んで、多くの人が直面するのではないだろうかと感じています。
ちなみに、今回は郵便物の整理もしましたが、大事な書類が出てくる出てくる。ずっと探していた両親のマイナンバーの通知カードを見つけた時には慌てました。税金関係のものも多く、今日からそういった書類の問い合わせなどをしています(ねんきんダイヤルがつながらない...)。
<今回のポイント>
・土地をどうするか考えなければならない
・郵便物の整理、特に公的書類が大変。問い合わせのために平日の時間もとられる。
書籍「地域包括ケアの課題と未来」にある、「生活支援」「介護する家族の負担」(「介護は家族で、の因習が日本の未来を暗くする」(ロハス・メディカル2014年10月号))などの項はダブルケアに関連します。関係者には、ぜひ読んでいただきたいです。