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妊婦さんが食べてはいけないもの
※1・・・常温、常圧で凝固しない唯一の金属で、銀のような白い光沢を放つことからこの名がついている。中でも有機水銀は、炭素−水銀 (C−Hg) 結合を持つ有機金属化合物で、毒性が強い。代表的なものに、水俣病の原因物質であるメチル水銀や、消毒液であるマーキュロクロム液(赤チン)がある。メチル水銀は単一の物質の呼称ではなく、水銀原子にメチル基が結びついている化合物の総称で、いずれも毒性が強い。国内では禁じられているが海外ではまだ農薬や工場廃液に含まれることがある。脂溶性の物質であり生体内からのメチル水銀の排出は遅いため、生体蓄積の程度は高く生物濃縮を受けやすい典型的な毒物。大きな肉食魚の場合、小魚の100倍ものメチル水銀を保持することになる。
※2・・・DHA(※3)と並び、オメガ-3脂肪酸の多価不飽和脂肪酸(脂肪酸は脂質をつくっている成分で、その科学的構造から大きく3つに分類でき、そのうちの一つが多価不飽和脂肪酸。主に植物油や魚に多く含まれ、体の中で合成できないため食べ物からとらなければならない必須脂肪酸だが、劣化しやすい)の1つ。オメガ-3脂肪酸は、生理活性の強いオメガ-6脂肪酸と競合することで、免疫や凝血反応、炎症などについて過剰な反応を抑える、いわばオメガ6系統のブレーキ役として働く。特に、EPAには血小板凝集抑制作用があることが知られ、ニシン、サバ、サケ、イワシ等の魚油に多く含まれる。なお、体内に入ったEPAは脳内に移行した後、速やかに最終的にDHAに変換されるため、DHAと対照的に脳内にはほとんど存在しない。
※3・・・脳内にもっとも豊富に存在する長鎖不飽和脂肪酸。EPA(※2)と並び、オメガ-3脂肪酸の多価不飽和脂肪酸の1つで、EPA同様、魚油に多く含まれる。DHAの摂取は血中の中性脂肪を減少させ、心臓病の危険を低減する。また、アルツハイマー型痴呆やうつ病などにもDHAの摂取は有効であると言われる一方で、DHA投与がアルツハイマー病の症状を改善しなかったとの報告や悪玉コレステロールを上昇させるとの報告もある。
※4・・・熱に対して安定で、電気絶縁性が高く、耐薬品性に優れた化合物で、加熱や冷却用熱媒体、変圧器やコンデンサといった電気機器の絶縁油、塗料、溶剤など、非常に幅広い分野に用いられた。一方、生体に対する毒性が高く、脂肪組織に蓄積しやすい上に、発癌性があり、また皮膚障害、内臓障害、ホルモン異常を引き起こすことが分かっている。日本では、1968年に起こった「カネミ油症事件」をきっかけに、1972年の生産・使用の中止等の行政指導を経て、1975年に製造および輸入が原則禁止されたが、以前に作られたものの対策はとられておらず、2000年ころから、世界でPCBを含む電化製品、特に老朽化した蛍光灯の安定器からPCBを含む液が漏れる事故が相次ぎ、社会問題となった。2001年5月、PCBを2028年までに全廃することを含む国際条約であるPOPs条約(残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約)が調印されたのを受け、国内でも2001年6月にPCB処理特別措置法を制定し、併せて環境事業団法を改正して、2016年までに処理する制度が作られた。こうして対策は進んでいるものの、依然としてPCBを使用した古い機器の使用状況は不明で、影響が懸念されている。