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妊婦さんが食べてはいけないもの
先日、サンディエゴのカリフォルニア大学リバーサイド校の研究者は、食べるべきではない食品のリストを報告しました。
研究者らは、妊娠中に摂取している食品や飲み物、薬についてアンケート調査を実施。対象者は、カリフォルニア州内の特定の医療グループに所属する18歳以上の女性のうち、2011年12月〜2012年12月に妊娠36週から出産後8週間までに該当した200人(18--29歳 55.1%、30−35歳34%、36−39歳8.2%、40歳以上2.6%)です。対象者のほとんどはヒスパニック(87%)であり、ほとんどの女性(95.8%)が高校を卒業し、26.2%が大学や大学院の学位を持っています。年収は、25,000ドル以下35.1%、25,001〜50,000ドル33.9%、50,001〜75,000ドル17.5%、それ以上は13.4%でした。
結論から言えば、研究の著者らは、隠れた危険性を有する物質として、缶詰食品(例えば、缶詰の果物、野菜、スープ、ソース)、ある種の魚(マグロ、サーモン)、水道水、甘い食べ物、ファーストフード、カフェインと報告しています。
摂取食品のアンケートの結果は以下の通りです。
1.対象者の73.9%は、缶詰食品を食べていて、11.9%は、週に4回以上消費しています。最も人気の缶詰食品は、果物や野菜(52.3%)、スープ(41.6%)、そしてツナ(41.6%)です。
2.対象者の96%がボトル入り飲料水を、36.9%が家庭ろ過された水を、12%が水道水を飲んでいます。
3.対象者全員が妊娠中に新鮮なフルーツを食べています。最も一般的に食べられる果物は バナナ(95.4%)、オレンジ(88.8%)、リンゴ(88.3%)でした。65.8%は、少なくとも週4回果実を摂取しています。ただし、新鮮なフルーツを毎日、一日あたり推奨量食べている人は、3分の1未満でした。
4.対象者のほぼすべて(97.5%)が、甘いデザートを食べていました。特に好まれていたのがアイスクリーム(82.7%)、焼き菓子(70.1%)、チョコレート(65%)でした。対象者の約76%は、月に一度から週に3回、デザートを食べています。
5.対象者のほぼすべて(96%)が、ファーストフードを食べていました。ハンバーガー(85.2%)、フライドポテト(77.9%)、チキン製品 (53.6%)です。また、対象者の25.7%が週に1〜3回ファーストフードを食べていました。
6.大方の対象者(73.9%)が妊娠中に魚を消費していました。最も一般的に消費された魚はマグロ(52%)、ティラピア(34.2%)、続いてサケ(25.5%)です。ほとんどの女性(80%)は、週に1回未満の摂取でした。
7.対象者のほとんど(99.5%)が、妊娠中に肉を摂取していました。鶏肉(98.5%)、牛肉(84%)、豚肉(52%)です。ほとんどの女性(81.9%)が、少なくとも週に一度は肉を消費、30.4%は少なくとも週4回摂取しています。
8.大方の対象者80.1%が、カフェインを含む飲料を飲んでいました。コーラ(60.2%)、コーヒー(45.5%)、紅茶(29.8%)です。5.8%は、妊娠期間中でアルコールを飲んでいました。
なぜ、これらの食品や飲料が、妊娠中の女性には危険なのでしょうか?上記論文によると、
1.マグロは、運動機能障害や発達障害に関連付けられているメチル水銀※1を含みます。
⇒佐藤佳瑞智博士のコメントを参照してください。
2.サーモン(鮭)、特に養殖のサーモンは、ポリ塩化ビフェニル※4を含んでいて、精神的障害、低出生時体重、および異常な神経の反射に関連付けられています。
⇒原産国と、養殖か天然かを確認して下さい。
3.缶は、ビスフェノールAが缶から溶出してくる場合があります。ビスフェノールAは生殖障害、多動性などとの関連が考えられています。
⇒日本の状況に関しては、厚生労働省のサイトを参照にしてください。
4.米国の水道水は、毒素を含むことがあります。
⇒日本の状況に関しては、日本産婦人科学会のサイトを参照にしてください。
5.カフェインは、先天性欠損症や低出生時体重との関連が指摘されています。
⇒ただし、1日300mgまでのカフェイン(コーヒーなら数杯)は、妊娠への影響はないと言われています。
佐藤佳瑞智博士の意見も参考にしていただいて、妊婦さんはぜひ元気な赤ちゃんを産んで下さいネ!