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高齢者は「入院」がリスク

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先日ロバスト・ヘルスに「一般的に入院すると元気になると思われがちだが、実は寝たきりや介護度上昇のリスクになる」という記事を書いたが、こんなニュースがあった。「認知症患者、再入院リスクが1.5倍...機能低下・服薬困難で

認知症という病気の特徴はあるものの、やはり「入院」は高齢者にとって病気の重症化や寝たきりのリスクになるのだなと再認識した。

ロハス・メディカル論説委員 熊田梨恵

ロバスト・ヘルスに書いた佐々木淳医師の話を再掲。

■高齢者にとってのリスクは「入院」

鈴木氏は、高齢者の要介護度が上がったり、心身機能が低下したりするきっかけとして「入院治療」が大きいと述べた。「フレイルなどで身体機能が弱ってきた高齢者が入院すると、身体機能と認知機能が低下すると一般的に言われている」と説明。「入院関連機能障害」(下記)として解説した。
①環境変化によるストレス・・・「リロケーションダメージ」過緊張・適応障害・せん妄
②使わないことによる機能低下・・・床上安静・食事制限による廃用症候群と低栄養の進行 
(鈴木氏のスライドより)

例えば脳梗塞を起こして入院し、退院後に転倒・骨折が起こり再入院、誤嚥性肺炎に進行するなど、入退院を繰り返しながら要介護度が上がり、段階的に衰弱が進んで死亡に至ると説明した。

鈴木氏は自身のデータから、在宅高齢者が緊急入院する理由の約半分が肺炎と骨折と示した。肺炎による入院では約3割が、骨折では約1割程度が死亡。入院前後で平均要介護度を比べた場合、肺炎ではプラス1.72、骨折ではプラス1.54だったと示した。入院医療費は、肺炎では平均で約118万円、骨折は約132万円かかっているとして医療費圧迫への影響も示唆。

「高齢者は何かあっても『入院できるから安心です』と仰る。でも違いますよ、入院したら具合が悪くなりますよ、ということです。だから『入院してなんとかしてもらいましょう』ではなくて『入院しないように頑張りましょう』ということが正しい」と語った。


ニュース記事を踏まえると、認知症の場合は上記の「入院関連機能障害」に以下のようなことが加わることになるのだろう。
・環境の変化や投薬で意識障害や興奮が起きやすくなる。
・安全のために身体拘束を受ける場合があると、寝かされたままとなって活動量が減り、身体機能も認知機能も落ちやすい。
・認知症をふまえたバランスの良い治療を受けずに退院するため、病気やけがが再発しやすい。


日本人は漠然と「いざとなれば入院すればいい」「入院すればなんとかしてもらえる」と思っているところがありそうだが、「入院したら終わりだ」「入院だけはしないように頑張る」ぐらいの意識に変えていった方がいいのだろうなと思う。


今回の話に関連のあるロハス・メディカル特集記事
「寝たきりを遠ざける運動と栄養」
2 まず現状把握(2014年12月号)
3 なってない?サルコペニア(2015年1月号)
5 楽に筋肉付けたい それならBCAA(2015年3月号)
6 自宅で鍛えて膝関節を守る(2015年4月号)
8 筋肉バンザイ 百薬の長かも(2015年6月号)
9 1日10分余計に動くだけでOK(2015年7月号)
12 孤立は衰弱を招く 衰弱は高くつく(2015年10月号)


「認知症を知る」
①きほんのき(2012年6月号)
②アルツハイマー型(2012年7月号)
③レビー小体型(2012年8月号)
④脳血管性(2012年9月号)
⑤その他の原因(2012年10月号)

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