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「カッパ」と「スシロー」の意義

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 うちの幼稚園児の子どもは刺身が大好物です。醤油を付けずに食べるという、かなり本格派です。しかし、自分が子どもの時の人気の食べものといえばハンバーグやスパゲティーなどで、もちろん自分もそうで、刺身はそんなに好きではありませんでした(もちろん今は好きですが)。
 この理由は、間違いなく、回転寿司です。

(2012年3月、【山大GCOEコホート通信】vol.21 コラムとして配信)

成松宏人 山形大学グローバルCOEプログラム 先端分子疫学研究所 准教授

 回転寿司でお寿司、そして刺身に日頃より親しんでいるからです。山形にも回転寿司のお店は多くあり、休日になると家族連れですごい混雑ぶりです。回転寿司のカテゴリーも高級版からひと皿100円均一低価格店まで色々ありますが、最も人気が出ているのは、ひと皿100円均一の低価格店です(個人の感想ですが多分そうでしょう)。ここでは、お腹いっぱい寿司を食べても、いわゆる「ファミレス」とほとんど同じぐらいの食事代で済みます。味も一昔前の100円回転寿司に比べてずいぶんとおいしくなりました。

 私はこれって凄いことだと思います。カウンターで食べるような高級寿司店が応えるニーズと回転寿司店が応えるニーズは明らかに違います。よって、ひと皿100円均一の回転寿司店がどんなに流行っても高級寿司店が閑古鳥ということにはならないでしょう。もちろん逆も言えます。そして、子どもたちが寿司に親しむようになれば、「寿司愛好家」の裾野が広がります。子どもたちが大きくなれば、本物志向を求めてカウンターの高級店に行く人も私たちの世代よりも多くなるでしょうし、寿司職人なりたいという希望者も増えて、寿司業界によい人材が集まることも期待できます。大げさに言えば、回転寿司は新たな寿司の価値を作り出して、寿司業界全体に寄与したとも言えなくもありません。高級店寿司店も回転寿司店も両方に栄えるという、まさにwin-winの関係です。

 しかし、ここまで至るには色々な紆余曲折があったことが想像されます。特に、回転寿司が普及し始めた頃には、従来あったカウンターのお寿司屋さんと回転寿司店との客の取り合いもあったのだろうと想像します。「伝統的な寿司文化を守るために、カウンターの高級店を保護しよう」とか「新興産業である回転寿司を国策で育てよう」といった大規模な政策は私の知る限りは聞いたことがありません。私の想像が正しければ、競争熾烈な外食業界で、お互いに切磋琢磨して、今のような状況になったのでしょう。

 現代は極めて変化の速い社会です。時代のトレンドがどんどん移っていきます。地方に住んでいるとその波を都市部よりもさらに大きく受けることをよく実感します。具体的には、以前取り上げた商店街の例などです。

 そうなったとき、国や地方自治体などの公的なセクターに支援を求めるもの一つの重要な方法ではあります。しかし例えば補助金で立派な商店街を作っても、お店に魅力がなければお客が集まらないのと同様に、結局は自分たちが切磋琢磨しながら自力で解決するしかありません。

 100円回転寿司店は山形でも大盛況です。このような身近な所にも地方が輝きを取り戻すためのヒントが隠されているのかもしれません。


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