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山形の「銀座」を応援する
最近、良いことと悪いこととがありました。良いことは、スターバックスコーヒーの山形市2店舗目がオープンしたことです。1店舗目は山形駅でしたが、今度はドライブスルー付きで、車社会の山形では非常に利用しやすくて快適です。一方で悪いことは、七日町商店街からマクドナルドが撤退したことです。
(2011年1月、【山大GCOEコホート通信】vol.8 コラムとして配信)
成松宏人 山形大学グローバルCOEプログラム 先端分子疫学研究所 准教授
七日町商店街は山形駅の東側にある山形市の中心的な商店街です。山形の「銀座」といったところでしょうか。
私もよく行きます。その中でマックは低料金で過ごせる憩いの場として非常に重宝していただけに閉店は残念でした。いま、マックの撤退した後には「テナント募集」の張り紙が寂しそうにたたずんでいます。
山形新聞11月10日版には以下報道されていました。
「(前略)同店は2006年12月にオープンし、同社がフランチャイズ店としてノモト(山形市)に営業を委託。座席数は78で、若者を中心に利用されてきた。同店関係者によると、駐車場がないために、郊外店のように車を使った家族連れなどの利用が見込めなかったほか、街のにぎわいの衰退も目立ち、売り上げを伸ばせなかったという。(後略)」
山形の銀座も残念ながら寂れつつあります。まだシャッター街とまではいきませんが、「テナント募集」の張り紙が目につくようになりました。一方で、郊外の新興住宅地には新しいロードサイドの店が次々に建っていますし、イオンといった大型の商業施設は賑わいを見せています。多くの地方で起こっている波が山形市にも押し寄せようとしているようです。スターバックスコーヒーが出店先で選んだのも七日町商店街ではなく郊外のロードサイドであるところ非常に象徴的です。
大型ショッピングセンターは新しくきれいです。品揃えも均一で、便利です。私は、例えばイオンのトイザらスに行くと山形以外の都市にいる錯覚を起こしてしまいます。東京の店も、横浜の店も、名古屋の店も、山形の店も商品のディスプレイの仕方、店の雰囲気が全く同じだからです。一方で、商店街は不均一で、色々な個性の店があります。七日町商店街は私には一言でいうと「昭和」の薫りがします。特に、七日町のランドマーク的な商業施設の大沼デパートに足を踏み入れたときには、まだ私が小学生ぐらいのまだデパート業界全体が今よりも輝いていた時代に、親に連れて行ってもらった時の懐かしい気持ちが湧き上がってきました。それ以外にも、商店街は色々な店を歩いて見る楽しみがあります。七日町商店街には比較的新しい店舗から古い店舗や観光施設まであり、これが私の最も七日町商店街の気に入っているところです。
七日町商店街が新しい郊外型の商業施設に押されているのは紛れもない現実です。同時に、今、その存在価値が問われています。まさに生き残りの瀬戸際にいると言っても過言ではないように感じます。たしかに、現在の危機は郊外の大型商業施設が原因ではありますが、仮にこれらを規制したとしても、解決にならないでしょう。郊外の大型商業施設にヒトが流れるのはそれだけ買い物客という顧客に支持されているからです。やはり、七日町商店街が生き残るためには、顧客の支持を得るために変わっていくしかないと思います。もしかしたら、本当に思い切ったことをしなければいけないかもしれません。先ほど書いたように、私が感じるだけでも商店街の良さは良さでかなりあります。是非ともこれらの良さを活かして、生き残ってほしいと思います。
存在価値を問われたときこそ、その真価がもっとも問われます。私も一顧客として陰ながら応援して見守っていきたいと思っています。