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「私と仕事、どっちが大事なの!」と言われた時に考えること

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 「私と仕事、どっちが大事なの!」とパートナーから言われたことはありませんか? でも、この種の質問は答えるのに大変困ります。「仕事」と「私」は比べられるのでしょうか。比べるとしたらどうやって比べるのでしょうか。キーワードはズバリ「比較可能性」です。

(2012年2月、【山大GCOEコホート通信】vol.20 コラムとして配信)

成松宏人 山形大学グローバルCOEプログラム 先端分子疫学研究所 准教授

 さて、Aという食べものとBという食べもの、どっちが健康にいいか比較してみましょう。ここでは仮にAを焼き肉、Bをお寿司にしましょう。あなたならどうしますか? じゃあ、テレビの健康食品のCMみたいに焼き肉を食べた人とお寿司を食べた人に感想を聞きましょうか。

「焼き肉を食べたら元気がもりもりでてきました。これは健康になった気がします!」

とか

「新鮮な魚のお寿司を食べたら元気もりもりです。お肌もツルツルになりました!」

といった感想が寄せられると思います。

 では、どのように比較しましょう? 焼き肉派とお寿司派の数をカウントしますか? インパクトの感想がある方を重視しますか? そもそも何を以て健康と言いますか?

 このような状態になってしまうのは、そもそも比較できないもの(比較可能性のないもの)を比較しようとしているからです。本当に比較しようとするならまず、「健康」を寿命の長さといったようなはっきりとしたモノに「定義」することが必要です(1年間病院にかからなかった人の割合なども考えられます)。また、焼き肉を食べる人とお寿司を食べる人を比べる際にも注意が必要です。特に大事なのは、同じような年齢の焼き肉を食べる人と寿司を食べる人を比べることです。もし、焼き肉を食べる人のグループには若者が多くてお寿司を食べる人のグループにはお年寄りが多かったら、寿命を比べたときに食べているものの影響をみているのか、余命をみているのか分からなくなってしまうからです。

 といった形で、比較することは非常に大変です。正確にはもっと厳密にやらないといけません。つまり、何かを比べるというときにはまず、本当に比べることができるのか(比較可能性があるのか)を考えることが実は大事なのです。このように、比べることは簡単なようで突き詰めると実に難しいのです。世の中には「あの商品よりもこちらの商品がいいですよ!」といった商売があふれています。一度、買う前にこの比較可能性の話を思い出せば良い選択ができるはずです。

 さて、「私」と「仕事」を比べてみましょう。「私」は生活や人生を豊かに生きるために大事ですし、「仕事」は日々の生活の糧(かて)を得なければいけないので大事です。結局どっちも大事で比べようがありません。比較可能性がありません。どっちも大事ということです。「私」と「仕事」を比べることができない......多くの人が答えに窮する原因がこれでしょう。よって、答えは「比較可能性がないから答えられない」になります。でも、こんな答えを言う人はいませんよね。多分、相手の怒りが10倍になって返ってきますから。

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