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認知症を知る19 笑顔で介護を にこにこリハ!

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※情報は基本的に「ロハス・メディカル」本誌発行時点のものを掲載しております。特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。

99-1-1.jpg 今月からしばらく、認知症研究で我が国の中心施設と位置づけられている国立長寿医療研究センターの研究成果をご紹介していきます。

 まずは、同センターの脳機能画像診断開発部と認知症介護研究・研修大府センターが共同で開発した「にこにこリハ」から。

 認知症が進むと、言葉でのコミュニケーションが次第に難しくなって、介護者は疲弊し本人のQOLも下がります。そのように言葉でのコミュニケーションが難しくなった時にも、残された脳の能力を活かして、上手に介護を行おうという考え方のものです。

99-1.1.jpg 右の七角形のレーダーチャートは、認知症高齢者の検査値を健常高齢者の標準値と比較して書いたものです。外側が健常な高齢者の標準値、内側のやや歪んだ形の七角形が、認知症高齢者のものです。言葉の理解など全般的な認知機能が中程度に低下していても、表情や視線、ジェスチャーといった非言語シグナルを理解する能力は比較的保たれていることが分かります。

 そして実は、これら非言語シグナルは、動物や赤ちゃんにもあるような根源的な感情的情報をよく伝えます。言葉はなくても気持ちが通じることってありますよね。

 つまり認知症の方は、たとえ何も分かっていないように見えたとしても、目の前の人の感情や態度はかなり理解しているのです。

 そして、この非言語シグナルの認知能力をリハビリによって高め、コミュニケーションの改善につなげることも可能と分かってきました。

 カギとなるのが、笑顔です。

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