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「地域包括ケアの課題と未来」改定版が刊行

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地域包括ケアに関する様々な課題を扱った「地域包括ケアの課題と未来」の改訂版「地域包括ケア 看取り方と看取られ方: 第三次生活困難期における支援策」が刊行された。

高齢者を含む日本全体の状況への考察がさらに加わり、今の時代をマクロから捉えた「生活困難期」という考え方には唸らされた。


ロハス・メディカル論説委員 熊田梨恵

改訂の背景は、書籍を監修した小松秀樹氏の文章に書かれているので、ぜひご覧いただきたい。

日本は第三次生活困難機に入った

予防と健康寿命についての予想は、医師としての知識と経験から悲観的にならざるをえません。本書で、小野沢滋氏(「メタボ検診よりも虐待検診を筆者注:ロハス・メディカル2014年12月号)や近藤克則氏(「社会経済的要因による健康格差」)が述べているように、私も、生活習慣病の予防のための保健サービスに効果を期待できるとは思いません。さらに、予防によって「健康寿命」と寿命とのギャップを短くすることができるとは思いません。医学の進歩は逆にギャップを大きくしてきました。ギャップを短縮することが可能だとすれば、予防を含む保健活動ではなく、適切な条件が満たされた場合に、以後の治療やケアを控えることぐらいだろうと想像します。ある専門家から、北欧で寝たきりが少ないのは、自分で食事を摂取できなくなった時は、多くの人が死に時だと考えており、食事介助が一般的に行われていないからだと聞きました。

この部分について、先日「健康寿命が延びると平均寿命も同じように延びるため、好むと好まざるとにかかわらず、誰にでも医療や介護と付き合っていかなければいけない時期がある」という記事を書いたこともあり、非常に納得させられる。ぜひ、改訂版の書籍をご覧いただきたいと思う。

余談:筆者は編集として名前を並べさせて頂いてはいるが、実際には細々としたことのお手伝いというぐらい。初版も改定版も小松秀樹氏の深い思索と洞察によって出来上がった集大成だと思っており、読むたびに発見がある素晴らしい書籍だ。地域包括ケアについて様々な地域の問題点を最大公約数的に絞り出せているのは、今のところこの書籍だけだと思っている。地域包括ケアに関わる行政の方、医療介護従事者など専門職にはぜひとも読んでもらいたい一冊だ。

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