全国の基幹的医療機関に配置されている『ロハス・メディカル』の発行元が、
その経験と人的ネットワークを生かし、科学的根拠のある健康情報を厳選してお届けするサイトです。
情報は大きく8つのカテゴリーに分類され、右上のカテゴリーボタンから、それぞれのページへ移動できます。

コバエの大量発生は、ご近所さんのSOSかも!?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

足腰弱い独居高齢者の"ゴミ出し難民"問題が深刻化」というネットニュースを読みました。この話、本当に深刻です。そう実感するのは、自分の住むマンション内でも同じことが起きていたから。しかも、事態を知ったきっかけは、2晩連続の水漏れ騒動で私自身が被害側となったことで、その一件がなければ何も気づかずにいたのです。でも、今思えばサインはあったのでした......。

堀米香奈子 ロハス・メディカル専任編集員

まずは記事を引用すると、

東邦大学看護学部の岸恵美子教授が語る。 「足腰を弱め、ゴミ捨て場までゴミを持って行くことができない高齢者や、独居でゴミ捨てを頼める人がいないなど、いわゆる『ゴミ出し難民』が全国規模で発生しています。ゴミの分別も難しく、ゴミ出しが自力でできなくなった結果、やむなくゴミ屋敷化してしまう高齢世帯が多いんです」  食事は生協などのデリバリーで手に入れることができても、その先のゴミ捨てには体力的なハードルがある。寝たきりの高齢者ではなおさらだ。 「認知症でゴミ出しの曜日がわからなくなったり、分別できなくなるケースも多く、中には自宅がゴミ屋敷化していることに気づかないかたもいます」(岸教授)

私のご近所さんもまさにこのケースでした。実は我が家の上方階のお宅。老夫婦がお二人で生活していらしたのですが、車椅子でおそらく認知症の奥様を、旦那様がお世話し、別に住んでいる私と同世代の娘さんがたまに様子を見に来る、という感じだったと思います。ただ、生活リズム等も我が家と全く違いますし、我が家が越してきた当初からエレベーターで乗り合わせることも稀、という程度の関係だったので、正直詳しいことは分かりません。いかにも現代のマンション住まいですね。

異変が起きたのは昨冬の深夜。天井から水の落ちる音がしてきて止まらず、壁の中をぽちゃぽちゃと伝う音が聞こえるようになり、明け方には床から水が浸み上がってくるほどになったのです。我が家の下の階の部屋にも水は達し、その家の方と問題のお宅を訪ねましたが応答なし。一睡もできずに朝6時頃、やっと来てもらえた水道屋さんの判断で上のお宅の水道の栓を止めて、勢いは収まりました。管理会社によれば、日中に娘さんと連絡はついたようなのですが、驚いたのはその夜中。よりひどい水漏れ騒動が再び起きたのです。

それをきっかけに、私はそのお宅で何が起きていたかをようやく知ることとなりました。ただしそれも人づてに、です。

部屋に管理会社と水道屋さんが入ったところ、テレビで見るようなゴミ屋敷状態だったとのこと。埋め尽くされたゴミで床が全く見えないどころか、ゴミの山を乗り越えて行かないと各部屋に入れず、ベランダには天井まで届くほどのゴミで到底出られなかったそうです。娘さんもたまに来て様子は知っていたらしいのですが、もうどうにも手が付けられなかったようです。

どうやら、旦那さんも足腰が弱り、気持ちもすっかりまいってしまって、フレイルに陥っていた様子。フレイルとは、加齢に伴って筋力や心身の活力が停下した状態です(詳しくはロハス・メディカルで解説しています⇒こちら)。家の中は、当然ながら、ある日急にゴミ屋敷化したというより、何年もかけて少しずつそうなっていき、だんだんそのスピードが加速していたようでした。

それからしばらくして上のお宅は売りに出され、夫婦は引っ越していかれました。その後、これまたテレビで見たような清掃業者がやってきて、トラック何台分ものゴミが片付けられ、内部は完全にリフォームされて、今では別のご家族が住まわれています。私もすっかりこの一件を忘れていたのですが、この夏の終わりに、あることで急に思い出したのです。

それはコバエです。

昨年の夏、我が家は原因不明のコバエの大量発生に悩まされていました。キッチンでは1日に何十匹も退治したこともあります。必死にどこからやって来るのか探りましたが、窓際の植木鉢付近でも多く見かけたので、当時はその植木鉢の土にコバエが卵を産んでしまって、そこからどんどん産まれているのだと完全に信じ込んでいました。鉢植えを捨てれば簡単だったのですが、大事にしたいものだったのでそうもいかず、インターネットで購入した薬を土に撒いてみたり、あれこれ試したものです。それでも夏が過ぎると、コバエは減っていきました。

ところが今年の夏はというと、我が家では物にも生活スタイルにもほとんど変化はないのに、昨夏が嘘のようにコバエは姿を見せませんでした。たまに窓から1匹迷い込んで来るくらい。それにふと気づき、昨年と何が違うか、色々考えて出した自分たちなりの結論が、「ご近所さんのゴミ屋敷が誘因源・発生源だった説」でした。

このことは、今となっては確かめることはできません。でも当時、コバエの大量発生からもう少し想像力を働かせれば、何らかの異常事態が近所で起きているのではないか、くらいのことは思いつけたでしょうか。今後はこの経験を教訓として、コバエの異常発生はご近所のSOSかも、と心に留めておきたいと思います。そんなことが起きないのが一番ではありますが...。

しかも、この高齢者のゴミ出し・ゴミ屋敷問題は、認知症かつ独居の親類を身近に持つ私にとって、本当に他人事ではありません。週末には様子見に顔を出すようにしていますが、ヘルパーさんの助けもあって、今のところゴミ屋敷にまではなっていません。これからも本人の変化と家の中の変化を注意して見守っていきたいと思います。

  • 「認知症 それがどうした!」電子書籍で一部無料公開中
  • Google+
  • 首都圏・関西でおなじみ医療と健康のフリーマガジン ロハス・メディカル
月別アーカイブ
サイト内検索