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朝ごはんを食べれば痩せるの!?

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ダイエットの手法やいわゆる"常識"の中には、とてもよく知られているけれど根拠に乏しかったりわからなかったりする"神話"も多いもの。今回はその1つ「朝食抜き」ダイエットの是非を科学的に検証します。

大西睦子の健康論文ピックアップ58

大西睦子 ハーバード大学リサーチフェロー。医学博士。東京女子医科大学卒業。国立がんセンター、東京大学を経て2007年4月からボストンにて研究に従事。

ハーバード大学リサーチフェローの大西睦子医師に、食やダイエットなど身近な健康をテーマにした最新学術論文を分かりやすく解説してもらいます。論文翻訳のサポートとリード部の執筆は、ロハス・メディカル専任編集委員の堀米香奈子が担当します。

「減量したいなら、朝ごはんを食べなさい!」っていう話、お聞きになったことはありませんか。実際どうなのでしょうか?


アラバマ大学バーミングハム校の研究者たちは、朝食と肥満※1の関係についてこれまでに出された92の報告を調査しました。

Andrew W Brown, Michelle M Bohan Brown, and David B Allison
Belief beyond the evidence: using the proposed effect of breakfast on obesity to show 2 practices that distort scientific evidence
AJCN. doi:10.3945/ajcn.113.064410.


結果、それらの報告は、朝食が肥満に対し影響を与えると主張していますが、実際、バイアス(偏り)があり、証拠がないことを指摘しています。ですから実は、「朝食を食べるVS 朝食を食べない」という問題において、それが体重にどう影響を与えるかは、これまでの研究からはまだ明確な答えは得られていません。


これまでの研究で分かっていることは、

●朝食を食べない人が体重過多・肥満である可能性は高いが、体重過多・肥満である人が朝食を摂れば体重が減るかは不明

●いつも朝食を食べる人が朝食を摂るのをやめた場合に、体重が増えるかは不明
ということです。


それでは、朝食は私たちにとって、それほど必要ではないでのしょうか?2011年の厚生労働省の国民健康・栄養調査結果によると、20〜30代の日本人男性の約30%は朝食をとっていないようですが、それでいいのでしょうか?


先日、ハーバード大学の研究者たちは、45歳から82歳の男性26,902人を対象とした16年間に及ぶ大規模疫学調査※2の結果、朝食を食べない男性は、冠動脈性心疾患※3のリスクが27%も高いことを報告しました。さらに、夜遅く食事をする人は、しない人に比べて冠動脈性心疾患のリスクが55%も高くなりました。

Leah E. Cahill, Stephanie E. Chiuve, Rania A. Mekary, Majken K. Jensen, Alan J. Flint, Frank B. Hu and Eric B. Rimm
Prospective Study of Breakfast Eating and Incident Coronary Heart Disease in a Cohort of Male US Health Professionals.
Circulation. 2013;128:337-343. doi: 10.1161


さらに、この報告では、朝食を摂らない男性は、朝食を摂る男性に比べて年齢が若く、喫煙者が多く、未婚でフルタイムの仕事を持ち、身体活動が低く、アルコールの摂取が多いことがわかりました。


また、ハーバード大学のチームは、46,289人の女性を対象にした約6年間の大規模調査の結果、朝食を食べない女性は2型糖尿病※4と診断されるリスクが20%も高いことを報告しました。

Rania A Mekary, Edward Giovannucci, Leah Cahill, Walter C Willett, Rob M van Dam, and Frank B Hu.
Eating patterns and type 2 diabetes risk in older women: breakfast consumption and eating frequency.
Am J Clin Nutr 2013;98:436-43.
http://ajcn.nutrition.org/content/early/2013/06/12/ajcn.112.057521.abstract

以上の報告をまとめると、現時点で、「朝ごはんを食べれば痩せる」ということは証明されていなくても、「朝ごはんを食べるとⅡ型糖尿病や冠動脈性心疾患のリスクが減る」ということは報告されています。そもそも、「朝ごはんが食べられる」ということは、アクティブで、健康的な生活を送っている証拠だと思います。

朝食には、エネルギー、集中力を高める、インスリン※5、グレリン※6などのホルモンのバランスを整えるなど、さまざまな効力があります。以前のトピックにある「体内時計」を整えるには、朝食はとても重要な鍵となります。


朝は忙しくて、朝食を準備する時間がない方も多いと思います。何を隠そう、私も朝起きるのはとても苦手ですが、果物、ヨーグルト、ナッツや全粒穀物のパンなど、簡単に食べられるものを利用しています。寝起きは、ぼーっとしていても、朝食後は、シャキッとして、前向きでアクティブになり、一日が楽しく過ごせます。みなさんも、是非、オリジナルで簡単な、ヘルシー朝食メニューを作ってみて下さいネ!

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