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線維筋痛症 吉田裕子さん(38歳)

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※情報は基本的に「ロハス・メディカル」本誌発行時点のものを掲載しております。特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。

*このコーナーでは、日本慢性疾患セルフマネジメント協会が行っているワークショップ(WS)を受講した患者さんたちの体験談をご紹介しています。同協会の連絡先は、03-5449-2317 
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3人の子育てをしている吉田裕子さんは、全身が痛くて動けず、寝たきりの生活でした。今も痛みは変わりませんが、いろいろなことにチャレンジしています。

 吉田さんは高卒後、調理師になり病院に就職して病院食をつくっていました。24歳の時に、同い年で電気工事士の旦那さんと結婚して寿退職。それから3人目の子供ができるまでは、忙しいながらも順調な日々でした。
 それが突然、病名すらつかない全身の痛みに襲われてしまったのです。途方にくれていた時、かかりつけ医が、「線維筋痛症友の会」ができたという新聞記事を見つけ切抜きをくれました。見ると症状がぴったり。主治医に話して検査してもらい、ようやく診断がつきました。
 とはいえ主治医も医学書を片手に「漢方薬と抗うつ薬が比較的いいらしい。副作用の少ないものを探そう」という手探り状態。いろいろ薬を試しましたが、次々に副作用が出て、結局薬は増えても症状は改善されない、体も痛くて動かせないという状態が続きました。特に寒い季節になると痛み様々な症状が増すばかり。トイレに行く時だけ布団から這い出るような生活でした。
「このまま動けなくなるのかな」と思っていた時、「友の会」の会報で、県内にも専門の医師がいると知り、藁にもすがる思いで紹介してもらいました。
 新たな主治医からは、「もう治らないけれど、一緒にやっていこう。このままだと寝たきりになってしまうよ。それでもいいの? 何とかしたいなら、痛みの軽い時を見つけて、意識して体を動かそう」と告げられます。
 吉田さんは、抱っこすることすらままならなかった子どもたちと遊びたい、という思いから「このままではイヤです」と答えました。しかし、具体的に何をどういう風にやったらいいのかが、これまた手探りでした。

きっかけはテレビに出たこと

 ある時、病気を紹介する地元放送局のテレビ番組に出ました。放送局では問い合わせに対応しきれないということで、県の難病相談・支援センターが対応してくれていました。お礼を言おうとセンターを訪れた時にセルフマネジメントのWSを勧められ、資料を見た瞬間に、「これこそ私が探していたもの」と感じて、すぐ申し込みました。
 プログラムは様々に新鮮で、そうだよね、そうだよねと思うことばかりでした。できないのではなく、できないと思い込んで自分の可能性を潰していただけと気づきました。病気になってあきらめたこともたくさんあったけれど、病気になってもできること、なったからこそできることもあるよね、と思えるようになりました。
 WSではリーダーを含む参加者たちが、自分の色々な考え方を互いに否定も肯定もしないで出し合います。そういう考えもあるのね、と選択肢、考えの幅、視野が広がるのを実感しました。そのうちにこのプロセスは病気と関係なく色々な人に必要だなと思うようになりました。
 受講後、あれもこれもできるんじゃないか、と、どんどん日常生活を見直すようになりました。体調管理にも積極的になり、毎日の天候や服用した薬、痛みや諸症状を数値化したものの記録をつけ、自分に合う薬を一剤一剤判別するようになりました。主治医が変わりように驚いて「どうしたの」と尋ねるので、経緯を説明したところ深く納得し、そしてなんと主治医もWSを受講したのです。そして受講後、主治医自ら患者さんたちに推奨してくれるようになりました。
 吉田さんは、今でも状態の悪い時は動けなくなります。でも、その日数は受講前に比べ格段に減りました。今年4月からは難病相談・支援センターの相談員になりました。「まだまだこれから。病気・痛みと共に、いろんなことに目を向け、いろんなことを学びながら、楽しく毎日を一歩一歩、歩んでいきます」だそうです。

ワンポイントアドバイス(近藤房恵・米サミュエルメリット大学准教授) ワークショップではセルフマネジメントの3大課題、「治療のマネジメント」、「社会生活のマネジメント」、「感情のマネジメント」について学びます。治療のマネジメントには薬物療法や副作用への対処、食事療法など治療に関わることや、医療者とのパートナー作りが含まれます。社会生活のマネジメントには、仕事や学校、家事・育児、人との付き合い等の社会人・家庭人として生活していくことが含まれます。感情のマネジメントには、落ち込み、怒りや心配、不安、さらには、人間関係にまつわる気持ちの問題への対処が含まれます。病気をもって生きるには、この3つの課題に取り組み、自分らしい生き方を見出していくことが大切です。
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