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オールジャパンのまやかし
お薬の話を続けます。さっきのPhase2。日本の臨床研究とか、ちょっとヤバイことになっているぞという具体的なデータなんですけど、分かりやすいデータをお持ちしました。Phase2という段階があるんですよ。これは何かというと、お薬の使い方です。どれだけ人間に飲ませるか、何回飲ませるかとか、こういう風に何かを混ぜるといいんじゃないのとか。それとか、こういう病気の人をこう検査して、こういう薬を飲ませたら何か効くんじゃないのとか、そういうことを色々考える大事なお薬の色々なことを試行錯誤する段階が、Phase2という臨床試験の段階なんです。その段階の各国の動きですね。すいません。これは細かいので色々な国が並んでいると思って下さい。ずっと端っこが1995年。日本がICHとかTPPとか国際化とかを受け入れ始めた年から今ですね、2012年までです。
そのPhase2の臨床試験の数を世界各国ズラッと、アメリカ、ドイツとか、デンマーク、アルゼンチンとかまで並べているのですけど、日本はどれかというと、何か勢いがちょっと違う赤い線が見えません? 向きがこの国だけ違うんじゃないか。何か変なんじゃないかと思いませんか? そうなんです。日本でこういう臨床試験を皆やらないんです。やらなくなったんです。日本向けの用量をどう決めるか。日本人というポピュレーション、お客さんの用量をどう設定するのかとか。あるいは、POCといって、その次はどういう難しい病気の状態に使っていくか。なるほど。この国でやらなくなったんですよ。やるのはどういう試験かというとPhase3試験です。お作法として承認審査に必要だから当局が出せと。Phase3というのは最後の段階です。検証的な試験と言うんですけど。何ちゃって国際共同治験も、このPhase3の典型です。これはね、日本がちょっと昔よりも数は減っていますけど、ちゃんと増えていますね。他の国と同じトレンドを示しています。
どうですか? やっぱり誰かが投資するとか、制度がこうなるとか、世の中はそのようになるんですね。良い面も悪い面もおそらく。私は困ったことがいっぱいあるのではないかという風に思います。
オールジャパンという話ですね。オールジャパンというのは、非常に良い言葉で、山中伸弥先生なんかもおっしゃいましたかね。これは、ホームページにまで出てきているとは思わなかったのですけど、最近の内閣府のホームページです。
産学官一丸となったオールジャパン体制で取り組もうという風に提案していましてね、こういう所まで書かれるご時世になったのか、すごいものだと思ったわけですけど。何かこれ昔どこかで、私はまだ生まれていなかったのですけど、70年位前に何か引っかかるなと思ってインターネットで検索とかしていたら、そうだと。「進め一億火の玉だ」という言葉が大政翼賛会の曲であったなと思いましたね。ちなみに、こういう歌詞です。