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オールジャパンのまやかし

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 一つ現場にいきましょう。過去の政策評価みたいなことは、まだやっていませんね。毎年やらないんです。ずっとやらないんです。ちょっと最近きっかけがあって、昔の本を読んだんですけど、2002年の医薬品産業ビジョンというのがあって、2002年です。十数年位前ですか。「2002年から2006年の5年間をイノベーション促進のための集中期間とする」と、すごいことが書いてあったんですね。集中期間とされたんだそうです。この期間。いやあ、どうなったんだろうなと思いますけどね。それで、その本の先を少し読むと、2007年から2011年新薬品産業ビジョンというのが出てきます。この「2007年から2011年を集中期間とする」と、またここにも書いてあったのです。集中が好きですね。毎年毎年集中しているということなんですけど、あまり集中ばかりしていると、それは何も集中していないのと一緒なんですね。
 先に怒られるといけないのであらかじ謝っておきますが、今はバイオイノベーション戦略5カ年戦略というのをやっております。それで、それはずっと続いているわけですね。緊急戦略というのがずっと続いているのですけど。これは色々な意味で問題がありますよね。このメッセージがずっと出ているということは、駅前でよくありますよね、ずっと特売とか特価とか出ている、あの寂れた商店街のあれと同じです。メッセージとして全然効かなくなります。比較制度論なんかでよく出て来る概念ですね。
 それから、5という数字がちょっと怪しいと思いません? 5年。必ず5年なんですよ。これってね、都合がいい数字なんですよ。5年すると人が替わっちゃうんですよ。みんな。特にお役所の方々。それから、研究者もそうだし。もしかしたら政権も変わるかもしれない。そういう意味で5年戦略というのは、非常にある意味うま手い戦略なんだろうなと私は思います。
 それから他にもありますね。企業の方々にとっては、大変なんです。今上司がみんな外人さんになっています。要は頭を使うポスト、何かを決めるポスト、マネージするポストは外人さんです。目の青い方ですね。そういう所に中国のすごくキレる方なんかもひょこひょこ入っていて、どうやって日本のR&Dを奪ってやろうかと考えています。日本人はどうかというと、退職金上乗せ制度とかいうのがありますから「どうぞお辞め下さい」とお金をもらって辞めていくという状況になっていますね。なかなか企業の方々も大変なんです。
 日本人のポストとノウハウの喪失という問題。これはものすごい大変な問題なんですけど、もう当たり前にこんなことは起きていると思って、誰も何も言わなくなるんですね。20年位前ならこういうことで大騒ぎしていたのですけど、今はもうこれが当たり前ですから、誰も何も言わない。「当たり前じゃないか」「外人さんの上司? そんなの当たり前だろ」と言いますね。問題にしているのは私だけかもしれない。
 それから、日本での新薬開発が後回しになるパターンが完全に定着化しました。なぜかというと、日本政府が後で救ってくれるからです。「海外にあるからドラッグラグだ」「うーん、承認しましょう」という形が制度化したんですね。制度化すると、企業の人たちは賢いですから、それが一番いいやり方だなあというやり方が、仕組みとして彼らの慣習として定着するんですね。ですから、日本の新薬は後回しで結構ということになる。政策の細かいところ、恐らくPMDAのあのお薬の承認審査ですね。国際データをどんどん使いますよということをずっと言い続けました。1990年代以降、制度化しました。それも。その通りの結果が今出ています。これから、データで説明しますが、なーんちゃって国際共同試験と呼ぶんですけど、いろんな国でやるんですね。日本人をちょっと入れておけば良いんです。ちょっと入れておくと、「日本人のデータあるね」といって承認してくれるんです。「あー良かった。良かった」と。どういうデータが集まっているのかよく分からないですけど。それから、実質的な臨床評価活動、臨床研究活動、臨床試験のPhase2と言われる大事な部分がヤバイことになっているというのは、データでずっと示しますね。
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