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2013年3月の記事一覧

 クルクミンという秋ウコン由来の物質による、軽度から中度のアルツハイマー病患者を対象とした無作為二重盲検プラセボ対照治験が実施されました。副作用に対する耐容性の面では重篤な副作用は観察されませんでしたが、残念ながら、ヘマトクリット値の低下や血糖値の増大が見られ、認知尺度に対する有効性や血漿中および脳脊髄液におけるアルツハイマー病バイオマーカーでの有効性は、現在のところ確認されていないようです。


Oral curcumin for Alzheimer's disease: tolerability and efficacy in a 24-week randomized, double blind, placebo-controlled study
John M Ringman, Sally A Frautschy, Edmond Teng, Aynun N Begum, Jenny Bardens, Maryam Beigi, Karen H Gylys, Vladimir Badmaev, Dennis D Heath, Liana G Apostolova, Verna Porte, Zeba Vanek, Gad A Marshall, Gerhard Hellemann, Catherine Sugar, Donna L Masterman, Thomas J Montine, Jeffrey L Cummings and Greg M Cole
Alzheimer's Research & Therapy 2012, 4:43 doi:10.1186/alzrt146

川口利の論文抄訳

発行人の実兄。上智大学文学部卒。千葉県立高校の英語教師在任中に半年間の英国留学を経験。早期退職後に青年海外協力隊員となって、ホンジュラスで勤務、同じく調整員としてパナマで勤務。

認知症を知る3 レビー小体型

83-1-1.JPG 認知症の原因疾病をご紹介していく2回目は、患者数が多い割に知名度が低く、見逃されている例も多いと思われるレビー小体型です。
監修/小阪憲司 メディカルケアコートクリニック院長

長生きしたければ運動を!

人は1年に1歳、歳をとります。当たり前ですよね。でも実は、体は誰もが等しく歳をとるとは限らないようです。重要なのは、やはり食事、そして運動です。どういいのかは、早速今回の記事を読んでみてください。このところようやく春らしくなってきましたから、運動を始めるいいタイミングかも知れませんね。

大西睦子の健康論文ピックアップ31

大西睦子 ハーバード大学リサーチフェロー。医学博士。東京女子医科大学卒業。国立がんセンター、東京大学を経て2007年4月からボストンにて研究に従事。

ハーバード大学リサーチフェローの大西睦子医師に、食やダイエットなど身近な健康をテーマにした最新学術論文を分かりやすく解説してもらいます。論文翻訳のサポートとリード部の執筆は、ロハス・メディカル専任編集委員の堀米香奈子が担当します。

 既に何度かお伝えしたAlzheimer's Disease Neuroimaging Initiative(ADNI)(*1)からの研究報告です。臨床的にも認知的にも健康な老齢者を対象に、脳脊髄液のアミロイドベータ(Aβ1-42)とリン酸化タウ(p‐tau181p)が、臨床的認知低下における変化とどのように関係するかを調べたところ、Aβ1-42が低いだけでは臨床的低下と有意な関連性は見られず、Aβ1-42が低くp‐tau181pが高い場合に有意な臨床的低下が起こることが分かったようです。


Amyloid-β associated clinical decline occurs only in the presence of elevated p-tau
Rahul S. Desikan, MD, PhD, Linda K. McEvoy, PhD, Wesley K. Thompson, PhD, Dominic Holland, PhD, James B. Brewer, MD, PhD, Paul S. Aisen, MD, Reisa A. Sperling, MD, Anders M. Dale, PhD, and the Alzheimer's Disease Neuroimaging Initiative*
Arch Neurol. 2012 June; 69(6): 709-713.
doi: 10.1001/archneurol.2011.3354

川口利の論文抄訳

発行人の実兄。上智大学文学部卒。千葉県立高校の英語教師在任中に半年間の英国留学を経験。早期退職後に青年海外協力隊員となって、ホンジュラスで勤務、同じく調整員としてパナマで勤務。

認知症を知る2 アルツハイマー型

82-1-1.JPG今回からは三大認知症を一つずつ説明していきます。まず、日本でも世界でも最も発症者の多いアルツハイマー型です。
監修/小阪憲司 メディカルケアコートクリニック院長

 日本において、2型糖尿病患者での余暇身体活動が、冠動脈疾患・脳卒中・総死亡率とどのような関係にあるかを全国レベルで調べたところ、余暇身体活動量が高いほど総死亡率が低下すること、脳卒中リスク低下には関連あるものの、冠動脈疾患リスク低下に対する有意性はないという結果が出ました。


Leisure-time physical activity is a significant predictor of stroke and total mortality in Japanese patients with type 2 diabetes: analysis from the Japan Diabetes Complications Study (JDCS)
Sone H, Tanaka S, Tanaka S, Suzuki S, Seino H, Hanyu O, Sato A, Toyonaga T, Okita K, Ishibashi S, Kodama S, Akanuma Y, Yamada N; on behalf of the Japan Diabetes Complications Study Group.
Diabetologia
DOI 10.1007/s00125-012-2810-z

川口利の論文抄訳

発行人の実兄。上智大学文学部卒。千葉県立高校の英語教師在任中に半年間の英国留学を経験。早期退職後に青年海外協力隊員となって、ホンジュラスで勤務、同じく調整員としてパナマで勤務。

認知症を知る1 きほんのき

81-1-1.JPG 本人はもちろん家族にも大きな影響を与え、社会問題化となりつつある認知症。その実相を理解しているか否かで、大げさに言えば人生が変わります。ぜひ理解を深めてください。連載でお届けしていきます。
監修/小阪憲司 メディカルケアコートクリニック院長

 日本の京都薬科大学の研究グループが、アルツハイマー病の病態における相互作用についてまとめたレビューです。脳内でのアミロイド・ベータ(Aβ)蓄積が、神経原線維濃縮体形成・シナプス機能障害・ニューロン損失など他のアルツハイマー病の病態他への鍵となるという、アミロイド・カスケード説に関して、タウのリン酸化や神経原線維濃縮体形成との関連や、小膠細胞の働きなどについてまとめています。


Molecular Approaches to the Treatment, Prophylaxis, and Diagnosis of Alzheimer's Disease : Tangle Formation, Amyloid-β, and Microglia in Alzheimer's Disease
Kazuyuki Takata, Yoshihisa Kitamura
Journal of Pharmacological Sciences
Vol. 118 (2012) No. 3 P 331-337
doi.org/10.1254

川口利の論文抄訳

発行人の実兄。上智大学文学部卒。千葉県立高校の英語教師在任中に半年間の英国留学を経験。早期退職後に青年海外協力隊員となって、ホンジュラスで勤務、同じく調整員としてパナマで勤務。

睡眠のリテラシー26

高橋正也 独立行政法人労働安全衛生研究所作業条件適応研究グループ上席研究員


 すっきりと目覚めた朝は実に爽快です。「今日も一日頑張ろう」と思えるようになります。寝つきが良くて、深く眠れることも大事ですが、心地良く目覚めることも、私たちの望む睡眠の条件と言えます。

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