全国の基幹的医療機関に配置されている『ロハス・メディカル』の発行元が、
その経験と人的ネットワークを生かし、科学的根拠のある健康情報を厳選してお届けするサイトです。
情報は大きく8つのカテゴリーに分類され、右上のカテゴリーボタンから、それぞれのページへ移動できます。

血液検査、特に貧血スクリーニング検査をご説明します

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

※情報は基本的に「ロハス・メディカル」本誌発行時点のものを掲載しております。特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。

検査の現場から6

東京大学検査部 東 克己

 血液検査、中でも全血球数算定(血算)検査[赤血球数、白血球数、血小板数、ヘモグロビン量、ヘマトクリット値、平均赤血球容積(MCV)、平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)、平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)]は患者さんの全身状態を把握する上で最も良い検査の一つです。この検査が頻繁に行われるのはそのためです。この中で貧血の評価はヘモグロビン量で行っています。

 国際的貧血判定基準(WHO)では成人男性13g/dl以下、成人女性12g/dl以下となっています。病院によって多少異なりますのでそれぞれの病院の基準値を見てください。

 健常者では赤血球の大きさ(MCV)や赤血球の中のヘモグロビン量(MCH)はほとんど変化しません。しかし、例えば鉄欠乏症貧血では赤血球の大きさ(MCV)が小さく、ヘモグロビン量(MCH)が少なくなります。逆に、大型の赤血球、MCVとMCHが共に大きい場合の貧血ではビタミンB12不足などを考えます。健常者と変わらない赤血球の形をして貧血がある場合は、造血の工場である骨髄で赤血球が作られない再生不良性貧血などを疑います。もちろん、赤血球のことだけでなく、白血球や血小板も同時に調べて総合的に判断します。

 貧血では、先ほど説明しましたように、種々の原因により赤血球の形に特徴がみられます。このことを利用して貧血の原因の筋道を大まかに推定することをスクリーニング検査といいます。本当の原因に到達するまでに無駄な検査をすることなく、少ない検査で的確な診断をするための方法です。この検査結果から精密検査を行い、貧血の確定診断をします。

 貧血を放置しておくと動悸、息切れやめまいなど日常生活に支障を来たし、生活に活気がなくなります。簡単に治る貧血もありますが、潰瘍やがんなど大きな病気の前兆のこともあります。「たかが貧血」と言わず、原因を突き止めることが重要です。

  • 患者と医療従事者の自律をサポートする医療と健康の院内情報誌 ロハス・メディカル
月別アーカイブ
サイト内検索