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腹部エコーをご説明します

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※情報は基本的に「ロハス・メディカル」本誌発行時点のものを掲載しております。特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。

検査の現場から4

東京大学助教授(検査部副部長) 池田 均

 検査には検体検査と生理検査があることをご紹介しました。今回は生理検査に分類される腹部エコーを取り上げてご説明します。

 おなかにゼリーをつけ、プローブと呼ばれる、拳骨ほどの大きさの器械(探触子)を使ってお腹の中の臓器の形や異常なものができていないかを調べるものです。

 食事を摂ると胆嚢が縮んで見えにくくなるため、空腹の状態で検査します。検査中にくすぐったいと感じられる方がいらっしゃいますが、これ以外に痛みなどを伴うことはなく、概ね10〜15分もあれば済んでしまう楽な検査です。

 肝臓や胆嚢、腎臓に加え、お腹の左上にあって、肝臓や血液の病気で変化することがある脾臓という臓器の異常については、かなりのことが分かります。

 また、お腹の奥深くに存在する膵臓については、全貌を観察することは難しいものの、ある程度の情報が得られます。これらの臓器の大きさが変化していることや、臓器の中に石がある、腫瘍ができているといったことを知ることができます。しかしながら、働きが落ちていることを知るのは不得手であり、これについては採血検査などによって判断します。

 超音波を使うという原理から、検査目的の場所に空気が存在すると、あまりよく見えないため、中に空気が入っている胃や腸については詳しい情報は得られないことが多く、これらに対しては内視鏡検査が活躍することとなります。

 検査中に画像は同時進行で観察されるため、結果はすぐに判明します。皆さん、結果が心配で早く聴きたいと思われるでしょうが、病気については症状や経過に加え、種々の検査結果を総合してこそ正確な判断が下せるものです。したがって、検査担当者からは、簡単な説明のみしか得られないかもしれませんが、不要な心配をしないためにも腹部エコー結果については、主治医から総合的にお聞きになることをお勧めします。

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