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白血病 堀田めぐみさん(49歳)

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※情報は基本的に「ロハス・メディカル」本誌発行時点のものを掲載しております。特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。

*このコーナーでは、日本慢性疾患セルフマネジメント協会が行っているワークショップ(WS)を受講した患者さんたちの体験談をご紹介しています。同協会の連絡先は、03-5449-2317
horita.JPG 幹部自衛官だったという珍しい経歴を持つ堀田めぐみさんは、教師をしていた4年前に急性リンパ性白血病を発症。再発の不安を抱えながらも、今は難病相談・支援センターの相談員をしています。

 本当は中学校の理科教師になるつもりで就職先も決まっていたのだそうです。ただ大学を卒業する間際になって、ちょうど女性にも幹部自衛官への道が開かれたとメディアで騒がれていたので受験してみたら受かって、チャレンジ精神で陸上自衛隊へ入って、通信科部隊に配属されて、でした。
 2年後に大学時代の先輩と結婚。翌年に長男に恵まれます。しかし演習や訓練、当直などがあって月の半分は家に帰れないこともありました。子供が病気をしやすい時期に旦那さんの両親にすっかり面倒をみてもらうことが多く、自分を責めたと言います。
 27歳の時、昇級に伴って横須賀の学校へ1年間入校しなければいけなくなりました。これ以上家族に負担をかけられないと考え、もったいないとは思いながら退職しました。その後は長女、次女が生まれ、子育てに全力投球の日々でした。
 40歳、子供たちに手がかからなくなったところでホームヘルパーの資格を取り1年間ヘルパーをして、その翌年には小学校の理科の非常勤講師に採用されました。
 1年契約の非常勤講師生活が3年目。充実した日々に突然体調が悪くなります。貧血の症状が出てきたのです。風邪をひきやすくなり、すぐ熱が出ます。それがどんどんひどくなり、趣味でやっていたバドミントンの練習中に酸欠で体が動かないようにさえなりました。たまたま子宮がん検診を受けたら、5cmほどの子宮筋腫がありました。それが原因に違いないと鉄剤を飲むことになりましたが、しばらく飲んだ後、かかりつけ医で血液検査しても治っていませんでした。「これはおかしいよ」と病院の血液内科を紹介され、行ったら即座に「検査入院しようか」と言われました。
 ちょうど3月だったので授業を全部終わらせて通知表もつけてから入院しました。その日のうちに旦那さん同席で病名を告知され、そのまま本入院しました。
 8ヵ月間6クールの抗がん剤治療。生きて退院するという目標が、とてつもなく遠く感じられました。幸い肉眼的には異常な細胞の検出されない「完全寛解」になり退院できました。ただし、肉眼で見えないと言っても完全に異常な細胞が消えたとは限らないので、続けて外来で1年4ヵ月の抗がん剤治療(維持療法とか地固め療法とか言います)を受けました。

同じ病の人と話をしたい。

 退院したらあれをやろうこれをやろうと考えていたのですが、維持療法の副作用で依然として体調が悪く、それどころではありません。悩みや不安を分かち合いたい、同じ病気の人と話したいという気持ちが強く、ネットで情報を探したりしました。ある日、、県の難病相談・支援センターで血液難病交流会をする、そんな告知を新聞に見つけて行ってみました。それを機に時々センターに足を運ぶようになった頃、セルフマネジメントWSの案内がファクスされてきたのです。
 維持療法中で体調はよくありません。正直6週間も続けて出られるか自信がなかったし、別の病気の人と話をするのも自信がなかったと言います。
 行けたらすごいけど、行けなくなっても仕方ないよねと自分に言い聞かせながら通い始めました。3週目までは、周囲の励ましで何とか行っていた感じでした。しかし4週目から、このプログラムは凄い、何としても最後まで行こう、と思うようになりました。
 病気をして色々な意味で自信をなくしていたのだと言います。しかしアクションプランを立て、それを達成する度、1週ごとに自信を回復している実感がありました。自分は再び頑張れる、そう思えるようになったのでした。また、世の中にあふれている健康情報の中で、どの情報を選びとったらよいのかも分かってきました。
 白血病の場合、完全寛解から5年経過しないと完治したとは見なされません。つまり現在も、まだ放免とはいかない状態です。しかし、一昨年7月からは、同じように病に苦しむ人々の力になりたい、と難病相談・支援センターの相談員をしています。セルフマネジメントプログラムのリーダーにもなりました。
 堀田さんは言います。「WSがきっかけとなって、仕事や患者会活動などの社会活動ができるようになりました。今後は化学療法後や骨髄移植後の患者さんとも一緒にWSをやれればと願っています」

ワンポイントアドバイス(近藤房恵・米サミュエルメリット大学准教授)  WSでは「アクションプラン」という翌週までの行動計画を立てる方法も学びます。この計画では「自分がやりたいこと」で「1週間で達成可能なこと」を選び、実際にそれをどのくらい、いつするのかを具体的に決めます。また、実際にやってみた結果を次週のWSで報告します。計画が達成できていなければ何が障害だったかを考え、問題を解決する方法を話し合います。  ここで大切なことは、成功を重ねて自信をつけることと、うまくいかなかったときに問題解決の方法を考えられるようにすることです。アクションプランを生活に取り入れ、ひとつひとつできることを広げて行くことで、病気と共に生きることへの自信がつきます。
  • 患者と医療従事者の自律をサポートする医療と健康の院内情報誌 ロハス・メディカル
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