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骨粗鬆症からの大腿骨骨折、予防のためにも納豆を!

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冬になると大腿骨骨折が増えるそうです。そのベースにあるのが、骨粗鬆症。骨がスカスカになっているので、ちょっとつまづいただけでも、骨折につながります。予防のためにも納豆はお勧めです。

堀米香奈子 ロハス・メディカル専任編集委員

冬に大腿骨骨折が増える理由について、報道では近畿大学の武田卓教授が

やっぱり寒いですからね。体が動きにくくて、普段ないようなストーブとか置いてますから、引っかかって転倒するんですね。その結果として骨が折れるというのが多いんですね

と説明しています。

昨年9月には、骨粗鬆症財団や近畿大などの研究グループが、「中高年の大腿骨骨折の人口あたりの割合は西日本で高く、北海道や東北地方で低い」という調査結果を発表しました。

全国平均を100とした骨折の発生比は、女性では兵庫や和歌山、沖縄などが120前後と西日本で高く、秋田や青森など東北以北で低かった。男性も同じ傾向で、最も高い沖縄と低い秋田では2倍超の差があった。

原因についてははっきりしていないものの、
今回の調査では地域間の偏りの原因は、はっきりしていないという。過去にはカルシウムの骨への取り込みを助けるビタミンKの血中濃度は東日本で高く、ビタミンKを多く含む納豆の消費量が関係するといった報告がある。研究グループは食生活が影響する可能性も考えられるとしている。

報じられています

報道にあるような、納豆摂取と大腿骨骨折の統計学的な研究報告は見つからなかったのですが、都道府県ごとの、大腿骨骨折の発生率ランキングと、納豆の消費量ランキングを見比べてみただけでも、なかなか「へえ」なことが分かります。

【大腿骨骨折の発生率 ランキング】
( )内の数字は、全国平均=100とした時のスコア(報道に基づく)

・ワースト6県 女性
1位 兵庫(120)
2位 和歌山、沖縄(118)
4位 大分、奈良(116)
6位 奈良(116)

・ワースト6県 男性
1位 沖縄(144)
2位 長崎、和歌山(126)
4位 佐賀(124)
5位 兵庫、鳥取(121)。

・ベスト5県(男女とも、スコアは63~78)
1位 秋田
2位 青森
3位 岩手
4位 宮城
5位 北海道


【1人当たり納豆の年間消費量 ランキング】
( )内の数字はパック数、全国平均は13.7パック
(平成28年、出典はこちら

・ワースト6県
1位 和歌山、沖縄(7.3)
3位 徳島(7.7)
4位 兵庫、高知、香川(9.3)

・ベスト5県
1位 青森(22.6)
2位 宮城(21.9)
3位 新潟(20.9)
4位 群馬(20.1)
5位 茨城(19.9)


ざっくりと見ているだけなので、これだけでは何とも言えませんが、それなりに上位も下位もかぶっていますよね。上記以外でも、やはり納豆の消費量自体、全体的に西高東低です。(一方、本州で言えば、東北を中心に米どころは納豆の消費も多いイメージです)

実際、1999年に発表された、大腿骨の付け根部分の骨折とビタミン K 摂取量との関連を検討した米ハーバード大学の研究でも、1日に100 µg程度以上ビタミンKを摂取していたグループでは、それより少なかったグループに比べて発生率の低下が観察されています。

文科省の食品データベースによれば、1パック(通常約50g)あたり、普通の納豆なら300µg、ひきわり納豆だと465µgのビタミンKが含まれます。であれば、納豆を毎日1パック食べることで、大腿骨骨折の予防につながりそうですね。

さて、ここで改めて肝心なこと。そもそも転んだだけで骨折してしまうのはなぜでしょうか。

もうご存じの方も多いと思いますが、骨粗鬆症になってしまっているせいだと考えられます。ビタミンK不足は、骨粗鬆症の一因とされています(図)。つながりましたね。
ビタミンK骨粗鬆症.png
しかも納豆などの大豆製品に含まれる大豆イソフラボンは、破骨細胞の働き(詳しくはこちら)を抑えて骨粗鬆症を改善・予防する効果が見込まれる「エクオール」という物質の材料でもあります。

骨粗鬆症予防のため、ご飯のお供として納豆を毎日の献立に取り入れてみはいかがでしょうか。なお、青汁やモロヘイヤもビタミンKを多く含むそうですから、納豆の苦手な人で骨粗鬆症が気になる方は、そちらを試してみるとよいかもしれません。(ただし、血栓ができるのを防ぐワルファリンを服用している人は、納豆や青汁、モロヘイヤなど、ビタミンKを多く含む食品は厳禁ですので、ご注意を!)

ちなみに、納豆をご飯と一緒に食べると、ご飯のみで食べるよりも血糖値の上昇を抑えられる効果もあります。高血糖は血管を傷めて老化させますから、納豆とご飯を一緒に食べることで老け防止も期待できそうですね。

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