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承諾なく歯を削られた!――「よくある話」で済まされない理由。

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承諾なく歯を削った疑い 奥歯2本の健康な部分 岡山の歯科医師逮捕」というニュースがありました。患者の信頼を裏切って傷害罪に該当する犯罪行為を行ったことは、絶対に許せません。ただ、私の周囲の人たちの反応の薄さにもショックを受けています。

堀米香奈子 ロハス・メディカル専任編集委員

記事によると、

承諾を得ていないのに、歯科器具を使って奥歯2本の健康な部分を切削し、治療に約1カ月かかる傷害を負わせたとしている。
 県警によると、昨年5月末、男性が受診した別の歯科医師が警察に相談したことを受け、捜査を進めていた。同様の被害情報が医師や患者から複数寄せられており、関連を調べる。

とのこと。

こうした歯科のトラブルは、表面化しなくても実はずいぶんあるようだ、ということを、ロハス・メディカル編集部では読者アンケート(こちら)などから把握し、危惧してきました。

多くは、自由診療と保険診療、その選択や説明に関する不満と、説明にない治療内容の問題。今回のような、「健康な歯を削られた」「抜かないでと言ったのに抜かれた」といった訴えもありました。

当たり前過ぎる話ですが、永久歯を歯を削ったり抜いたりしてしまうと、取り返しがつきません。削ったところはどうしてもそこからむし歯になりやすいもの。現在の標準的な治療方法では、むし歯は削って治療しますから、むし歯を繰り返すことで、どんどん歯を削る羽目になります。だからこそ、自分の歯を健康なまま維持し続けることが大事なのです(健康な歯を勝手に削られるなんて論外、ということ)。また、抜いてしまうと二度と生えてこないのは誰しも知っています。歯科分野でも再生医療が注目されているとはいえ、少なくとも今はまだ医療現場では実用化していませんし、実現するのはずっと先、しかも相当高額な自由診療になるでしょう。

8020運動が掲げる「自分の歯を出来るだけ残そう(目標として80歳で20本)」という考え方が最初に言われたのは、平成元年のことです。それから30年かけて、一般にもだいぶ広まったのではと感じていました。

ところが......なぜ、自分の歯を残さねばならないのか、と聞かれると、きちんと答えられる人は意外に少ないのです。もちろん、8020運動の当初から言われていた「生涯、自分の歯で食べる楽しみを味わえるように」ということは、そもそも想像に難くないようです。多くの歯が抜けたままになっていれば、噛みづらく、食べたいものも食べられません。では、なぜ入れ歯よりも自分の歯なのか......。

入れ歯を使っている人に聞くと、明らかに自分の歯の方が食べやすい、と全員答えます。それだけでなく、入れ歯にならないよう、自分の歯を守るための心がけ、つまり口の中を清潔に保つこと自体が、非常に大事なのです。この30年で、歯や口の中の健康を維持することが、いかに全身の健康維持に重要か、次々に明らかになっています。

●衰えは口から? オーラル・フレイル(ロハス・メディカル2015年9月号)
●全身老化のサイン? 歯周病(ロハス・メディカル2007年9月号)
●寿命が縮むかも 歯周病を防ごう(ロハス・メディカル最新号⇒こちらで手に入ります。在庫切れはご容赦を)

全身の健康を守ることは、破たん寸前の国民皆保険制度を守ることにもなります(詳しくはこちら)。安心できる毎日と未来のため、それを子供たちに残していくためにも、口の健康維持をこれからも心がけていきましょう!

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