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健康診断で健康になれるの?

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上手に使いこなす方法
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 たとえるなら、個人にとっての健診は、夜道を歩くときの懐中電灯のようなものです。その夜道は、日頃の生活態度によって障害物の量が多かったり少なかったりします。進行方向の全てを照らし出せる電灯は残念ながらありません。
 ある年齢以上の人には懐中電灯を税金で持たせてくれます。ただし、その電灯は最高級品ではなく廉価普及版なので、道をきちんと照らすには少々心もとない面があります。個人がお金を出せば、もっといいものに変えてもらうことも、別の電灯を加えることもできます。
 今の事柄を、たとえを使わずに表現するとこうなります。法定健診は、かけるコストと得られる社会全体の利益とを天秤にかけて、必要であろうと考えられるものを、必要であろうと考えられる程度に調べるもの。あなた個人のために、全ての病気を絶対に見落としのないよう調べてくれるものではない(そもそも見落としのない「健診」や「検診」は存在しません)のです。
 では受ける意味がないかと言えばそんなことはなくて、日常生活に潜むリスクの警告は十分に期待できます。先ほどの懐中電灯のたとえに戻れば、手元の地図を照らして危険の大きな方向へ向かっているか知ることは十分可能ということです。
 さて、こういう状況だとしたら、健診をどのように活用するのが賢いでしょうか?
 まず、せっかく事業主や自治体が費用負担して受けさせてくれるのですから、ありがたく毎回受けましょう。不摂生の自覚があるなら、なおさらです。それから、リスクが隠れてしまったら受けた時間と費用が勿体ないので、健検診前だけ急に品行方正になったり、極端な寝不足で受けたりせず、自然体で受けましょう。
 次に、自分の受けるものが、何をどの程度調べてくれるものなのか理解しましょう。気になっている項目がカバーされていなかったら、希望の検査をさがして別の機会に受診するなど自分で補う必要があります。
 結果が出たら、たとえ異常がなくてもデータは保管しておきましょう。イザ変な値が出てきた時に役に立ちます。それから、もし精密検査を受けるよう連絡が来たら逃げずに受けましょう。
 そして結果に基づく保健指導もできるだけ受けましょう。もちろん、ただ受けるだけだったら時間のムダになりますので、日々の生活と結果がどのように結びついているのか、納得いくまでよく説明を聴くことが大切です。
 そして生活を変えなければいけないと納得したなら、すぐに改善に取り組みましょう。思い立ったが吉日、今日から実行です。

がん検診も百発百中では、ありません。  健診・検診の中で最も関心が高いのは「がん検診」でしょうか。しかし、毎年受けているからといって絶対に早期発見ができるとは限りません。 検診に用いられる画像技術には、X線撮影、CT、MRI、PETなどありますが、それぞれに長所短所があり、オールマイティではありません。また、がんの種類によっては検診の有効性が確立されていないものもあります。 検診だけで安心せず、体調に異変を感じたら、その都度受診をするようにしましょう。
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