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法定健康診断は個人のためではなく、社会のため
午前中に会社の健康診断を受けてきました。大切なことだとは分かっているものの、炭酸とバリウムを飲んで検査台の上でゴロゴロと転がるのは毎回つらいです。その後に下剤を出されるので飲みますが、私は必ず腹痛を起こすため午後からの仕事がつらいです。
そんな法定の健康診断、多くの人は自分のために受けるものだと思ってませんか?
「え? 健康診断は自分のためのものでしょ?」って思いますよね。
ロハス・メディカル論説委員 熊田梨恵
本当に自分のためだけのものなら、法的義務だったり、健康保険が負担してくれたりするということはあり得ません。
実は法定の健康診断は個人のためではなく、社会全体のためのもの(結果として個人のためにもなりますが)であることが、ロハス・メディカル2007年4月号に書いてあります。(筆者が社会人になってからもわりと長い間知らなかった、健診と検診の違いについても書いてあります)
結構驚くと思いますが、
法定健診は、かけるコストと得られる社会全体の利益とを天秤にかけて、必要であろうと考えられるものを、必要であろうと考えられる程度に調べるもの。あなた個人のために、全ての病気を絶対に見落としのないよう調べてくれるものではない(そもそも見落としのない「健診」や「検診」は存在しません)のです。
現在の健診義務づけには、本人の健康維持以外に公的にも二つの意義があると考えられています。・労働力・生産力の維持・医療費の抑制、です。
自分のためだけに受ける検査は、健康診断のオプションだったり、人間ドックなどになります。自分のためだから、自費なんですよね。
法定の健康診断は個人のためではなく、社会のためのもの。それが分かると、あのバリウムゴロゴロも仕方ないか...と思わざるを得ません。