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診療報酬改定の財務・厚労省間の応酬についての解説記事が面白い

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久々に診療報酬改定関連でワクワクするようなニュースを読んだ。

財政審の資料ににじむ財務省の怒りと覚悟 霞が関パワーゲーム・調剤報酬編

ロハス・メディカル論説委員 熊田梨恵

有料記事なので限定された人しか読めないのが残念だが、厚労省保険局医療課長を務めた経験のある佐藤敏信氏による今回の診療報酬改定を巡る裏側の解説記事だ。

保健局医療課とは診療報酬改定を担当する事務局で、課長は様々な業務を掌握し、矢面に立たされることも多い重要ポスト。重要な話は課長から聞けることも多い。

筆者が厚労省周りを取材していた時期に佐藤氏が医療課長を務めていたため、懐かしく思い出した。

課長として直接担当している時には表立って言えなかったことが山のようにあるはずだ。省を離れたポジションにいる今、元保健局医療課長だからこそ読み解ける財務省と厚労省の応酬について、筆を走らせることができたのだろうと思いを巡らせる。

・財政審で財務省側が用意した診療報酬改定についてのスライドの数が例年に比較して多いこと。 ・財務省は厳しいことを言いながらも、そのうちいくつかを実現すればいいと考えていること。またすぐに実現するのは無理でも、次回、次々回の改定で実現していけばいいという長期戦で考えているということ。 ・財務省からの調剤報酬についての厳しい指摘の詳細、佐藤氏が「怒りと覚悟」と読む背景。 ・同時期に出た週刊東洋経済の「薬局の正体」という特集には、何らかの意図を感じるということ。

などの辺り、霞が関パワーゲームが浮かび上がってきて非常に面白かった。


そもそも、診療報酬改定で財務省と厚労省がやり取りするってどういうこと?と思う方はこちらをどうぞ。
国の予算編成過程を息子のおねだりに例えてみた

この記事では毎年の予算編成について書いているが、この中に出てくる「財務省の査定」というのが診療報酬改定の際にも行われるということ。「アンパンマンのドラムがほしいという息子(厚労省)」に対して「財布を持った母親(財務省)」が激しくやり取りし、息子は母親に「なんでそれが要るの?」「前のおもちゃでちゃんと遊んでないじゃない!」などと言われ、譲らなかったり、妥協したりしながらもなんとか「ドラム」を得ていくというわけだ。


診療報酬改定について詳しくは、ぜひこちらをどうぞ。
検査や手術の値段を決めています。「中医協」って知ってる?」(ロハス・メディカル2009年7月号)
診療報酬改定について議論する中央社会保険料協議会についてはこちら。
あなたの知らない世界へようこそ 中医協の真実」(ロハス・メディカル2010年11月号)
もっと知りたくなった方は書籍「行列のできる審議会~中医協の真実」をどうぞ。

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