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男性の骨粗鬆症は女性より厄介。サプリメントにもご用心!

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骨がスカスカになって骨折しやすくなる骨粗鬆症。中高年女性の問題、というイメージがありませんか? 実は、発症した時に深刻な状況に陥りやすいのは男性なんだそうです。だからと言って、深く考えずにカルシウムサプリに頼るのも、実は危険です。

堀米香奈子 ロハス・メディカル専任編集委員

前回に引き続き「第12回 現場からの医療改革推進協議会」(12月2・3日)から、加藤茂明氏(ときわ会先端医学研究センター・センター長)による骨粗鬆症についての報告から入っていこうと思います。

(骨粗鬆症について「きほんのき」から知りたい方は、こちらをどうぞ)

加藤氏によれば、

●女性は70代後半になると半分が発症、男性でも5人に1人発症。
●高齢化の進展に伴って患者数は増えている。
●自覚症状がないまま進行し、骨折に至る。骨折は寝たきりとなる大きなきっかけ(要介護になる原因の第4位)であり、医療費を圧迫。
男性は骨折→寝たきりから平均2年で、女性は平均7年で亡くなる。しかも男性は寝たきりになるとすぐ認知症を発症する。

つまり、男性のほうが女性よりも骨粗鬆症になりにくいのは確かですが、骨粗鬆症になった場合には、女性より男性の方が寝たきり~死亡リスクが高く厄介だということです。

そこで大事なのが、運動と日光浴、食生活改善。栄養素としては、ご存知カルシウムとビタミンDは欠かせません。

加藤氏によれば、「70歳代になったら、今の1.3倍カルシウムが必要」とのこと。しかも、日本人がカルシウム不足になる原因は何と、「水」だそうです。要するに、日本の水はヨーロッパと比べてミネラルが極端に少ない「軟水」なんですね。たしかにカタい水に比べて柔らかくて美味しく感じ、飲みやすいのですが、栄養面では問題がある、というわけです。

ただ、骨粗鬆症の場合、サプリメントなどから闇雲にカルシウムを摂ることは、かえって寿命を縮めることにつながります。そもそもカルシウムを体がきちんと利用できないのが骨粗鬆症なので、そこにカルシウムを大量投入しても、弊害を助長するのです。具体的には、血管を石灰化させるタイプの動脈硬化を招きます(詳しくはこちら)。

また、ビタミンDは体内にカルシウムを取り込むために必須で、魚やキノコなどの食事から摂取できる他、日光浴によって体内合成も行われます。「中国の大都市では大気汚染で日光浴ができず、子供のくる病や大人でも骨軟化症が問題になっている」と加藤氏。「骨代謝の薬とビタミンDの作用点は全然違う」そうなので、骨粗鬆症で薬を処方されている人も、ビタミンDの摂取や日光浴は重要です。

さて、血管の石灰化を防いで骨を強くするのに、実はもう一つ非常に重要なミネラルがあります。マグネシウムです。

骨粗鬆症でなくても、マグネシウムが足りないと、カルシウムをたくさん摂っても骨がきちんと作られないばかりか、やはり血管の壁を石灰化させます。つまりマグネシウムが足りないままカルシウムばかり摂ることも、寿命を縮めるのです(詳しくはこちらをご一読ください)。

ですから実は、よく見かけるカルシウム:マグネシウム=2:1で配合したサプリメントも危険です。カル:マグの血中濃度は、確かに2:1を維持することが大事で、現状では日本人はどちらも摂取が足りていません。ただ、バランスとしては、マグネシウムの方がカルシウムより足りていない人が多いのです。そこにこのサプリを摂取しても、カルシウム過剰が改善されないどころか、助長することになるだけ、ということ。

というわけで、骨粗鬆症など骨の健康が気になる方は、そして血管の健康も維持するためには、カルシウムとビタミンDだけでなく、必ずマグネシウムを一緒に摂る必要があります。マグネシウムって何?という方、一番分かりやすいのは、豆腐を作る時に使う「にがり」です。大豆にも元々多く含まれますから、豆腐はまさに重要なマグネシウム源。納豆などその他の大豆製品や海産物、未精製穀物、葉物野菜、ナッツ類にも豊富です。

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