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病気とは何か

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※情報は基本的に「ロハス・メディカル」本誌発行時点のものを掲載しております。特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。


人として生きるためのサブシステム

 前項で紹介したサブシステムは、生命現象の根源である外部との物質のやりとりそのものに絡んでいる系でした。この項では、より高度な生命体として、あるいは人間としての機能を発揮するためのサブシステムをご紹介します。

〔免疫・血液〕
 病原体や異物の侵入・増殖を防ぐ、あるいは異常になった自らの細胞を排除する(09年10月号「がんと免疫」特集参照)といったことを行っています。物理的なバリアとしては皮膚や粘膜、そこを突破された際には主に血液中の白血球がその任にあたります。
 関連する主な病気としては、免疫不全(06年5月号「HIV/AIDS」特集参照)やアレルギー(06年2月号「花粉症」特集07年3月号「アトピー性皮膚炎」特集07年11月号「食物アレルギー」特集参照)、関節リウマチ(09年3月号参照)などがあります。免疫を専門に扱う診療科はあまりなく、感染症科や血液内科、あるいは皮膚科や耳鼻科、整形外科など、問題の現れた部位の医師で担当することが多いです。

〔感覚器・感覚神経〕
 目、鼻、耳、口、皮膚などいわゆる五感を検知する部分とそれに連なる感覚神経(認識するのは中枢神経系)です。外界の情報を取り入れる働きがあります。自らの生命活動を維持するのに必要な物質を取り込むため、あるいは自らの生命を危険にさらすものから逃れるため、そして社会的生活を営むため、人間にとって極めて大切な働きをしています。
 感覚器だけに自覚症状も感じやすいためか、これらに関する病気は非常に多岐に渡り、代表的なものだけでも、眼であれば緑内障や白内障(06年10月号参照)、耳であれば難聴(07年4月号参照)や中耳炎、鼻であれば副鼻腔炎、口ならば口内炎や歯周病(07年9月号参照)、虫歯などが挙げられます。皮膚には、皮膚炎、水虫(06年6月号参照)といったものがあり、感覚神経には神経痛(08年12月号参照)があります。
 そして感覚器だけに、医療提供側の分け方も一般人の直感で理解しやすいものになっていて、眼科や耳鼻科、歯科・口腔外科、皮膚科そして整形外科の担当になります。
 
〔効果器・運動神経〕
 若干耳慣れない言葉かもしれませんが、感覚系と対になる言葉です。感覚器から入力された信号を受け取った中枢神経系が何らかの判断をして信号を送り返す、その末端の運動神経と筋肉・骨格です。
 これに関連する主な病気は腰痛(08年6月号)、関節痛(08年2月号)、先ほども出た関節性リウマチ、骨粗しょう症、脳卒中の後遺症による廃用症候群などで、担当する診療科は主に整形外科になります。

〔生殖器その他〕
 冒頭の生物の定義の③を思い出してください。人間が自然にクローンをつくることは不可能で、有性生殖になっていることは皆さんもご存じの通りです。担当する診療科は産婦人科か泌尿器科です。

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