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認知症を知る1 きほんのき

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※情報は基本的に「ロハス・メディカル」本誌発行時点のものを掲載しております。特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。

失うものと出てくるもの

 認知症によって起きてくることは、大きく2種類に分類されます。それぞれ認知機能障害、行動・心理症状と呼ばれます。

必ず起きるもの

 認知機能障害は、脳の障害で起きてくる認知症の本体で、記憶障害、見当識障害、判断力障害、言語の障害、失行、失認、実行機能障害などを言います。すべての患者に必ずどれかが起きます。
 記憶障害に関しては、前項でも軽く触れたように加齢による正常な物忘れと、異常な物忘れがあります。その違いは前項表を再確認ください。
 言語の障害は、正常な時であれば言えたはずのことが言えなくなります。失行とは、運動機能は正常なのに、意図したことをうまく行えないことを指します。失認とは、感覚機能は正常なのに、対象を正確に認識ができないことです。
 実行機能障害は遂行機能障害とも呼ばれ、作業を順序立てて効率よく行うことができなくなるものです。例えば「食事の支度を順序よくできなくなる」「家電製品を使えなくなる」といったことが起きます。

出るとは限らないもの

 一方、行動・心理症状(BPSDと呼ぶこともあります)とは、周囲の環境や社会との関わりの中で出てくるものです。怒りっぽくなったり、不安になったり、異常な行動を取ったりします。人によって、また周囲の環境によって発現の度合いに差があり、最後まで出ない場合もあります。
 行動・心理症状は、文字通り行動症状と心理症状に分類することができます。
 行動症状としては、暴言・暴力、叫ぶ、拒絶(介護に抵抗する)、食行動の異常(食べ物でないものを食べる、食べ過ぎる)、徘徊などがあります。
 心理症状には、物盗られ妄想、嫉妬妄想、幻視、誤認、不安、興奮、抑うつ状態、自発性の低下(アパシーと呼びます)などがあります。
 「誤認」だけ言葉が分かりづらいかもしれないので具体例を挙げますと、自宅にいるのに自分の家ではないと思ってしまったり、タンスの中に入っている自分の服を他人のものと思ってしまったりするというものです。
 こうやって眺めると、実は行動・心理症状の方が周囲への影響が大きそうなことは分かると思います。
 一方で、行動・心理症状自体が環境との関わりの中で出たり出なかったりするものなので、周囲の人々の本人への接し方次第で、悪循環も良循環も起こり得ることが何となく想像できないでしょうか。
 だからこそ、すべての人が認知症への理解を深めることが望まれるのです。

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