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再燃中の「牛乳キケン説」、乳脂肪への誤解も?

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どうやら巷で牛乳キケン説にまたもや火がついているようです。キケンとまで言わずとも、私の身の回りには「牛乳は太る」「コレステロールが気になるから牛乳は控えてます」という人が少なくありません。どうも「乳脂肪は悪」的な見方があるようです。うーん、ちょっと違うんだけどなあ・・・。

堀米香奈子 ロハス・メディカル専任編集委員


土曜配信のWebニュースによると、

「『牛乳』で検索したらかなり衝撃的な結果」。この書き出しで3日につぶやかれた投稿が、4千以上のリツイートをされています。

とのこと。特に今回は、今回は某ネットメディアの
「牛乳は超危険!子供は絶対NG!がん・糖尿病・脳梗塞・心筋梗塞の恐れ」という見出しで昨年1月に配信された記事

が‟火元"のようです。これまでに何度も繰り返されてきたウワサですし、何をもってキケンとするのかも問題ですが、そのたびに科学的な反論は提示されつつも、根強く残っているんですね。


何を隠そう、このロバスト・ヘルスでも、2012年(牛乳とがん)、2013年(低脂肪乳で子供が肥満に?)と、この問題を取り上げています。そこで、牛乳そのものは摂り過ぎない限り深刻な病気を引き起こすことはなく、むしろ予防する可能性があること、そして、乳脂肪を適度に摂ることは満腹感をもたらして過食を防ぐのに役立つ、という話をしているのです。


「でも、乳脂肪って、要するにバターと同じでしょ? だったらやっぱり生活習慣病に直結しそうだなあ」と言う方、ちょっと待ってください。それは少し古い考え方です。

バターや獣の脂身に多く含まれる「飽和脂肪酸」(常温でも固形の天然油脂)は、魚油に多く含まれる不飽和脂肪酸と対照的に、コレステロール値を上げて動脈硬化を引き起こす元凶のように長らく言われてきました。でも、実は飽和脂肪酸より問題なのは、トランス脂肪酸、そして植物性油脂の摂り過ぎなのです!


もちろんどんな油脂も(不飽和脂肪酸だって!)摂り過ぎはNG。でも、毎日コップ1杯の牛乳くらいなら、まったく問題ないはず。当然、カフェラテもOKです。他方、缶コーヒーなどは糖分が入り過ぎていますし、安物のコーヒークリームは実際には植物性油脂なので、やめておきましょうね!


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