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絵で見て分かる生活習慣病⑩ 高血圧って何?
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血圧は、動脈の壁にかかる圧力のことです。心臓から送り出される血液の量と血管中の通りにくさ(血管抵抗)によって変化します。
つまり、血圧を測ることで、血液量が多くなっていないか、血管が通りにくくなっていないか、体内の様子を窺い知ることができるのです。
血管にしなやかさが保たれているうちは、血圧が高くとも血管内皮細胞へのダメージは少なくて済みます。しかし、動脈硬化が進んでいると、圧力を緩衝できずに内皮細胞が傷つき、動脈硬化は一層進むことになります。
つまり、高血圧が病気扱いされるのは、血管の通りにくさを左右し、また致死的な発作の要因ともなる動脈硬化が、高血圧によって、どんどん進んでしまうからです。言葉を換えると、高血圧は動脈硬化の原因であり、結果でもあるのです。
加齢と共に誰しも動脈硬化は進みます(前回参照)。このため、年をとるとどうしても高血圧になりやすくなります。
制御する仕組み体には「レニン・アンジオテンシン系」という、以下のような流れで血液量と血圧を自律的に調節する仕組みが備わっています。ACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害薬やARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)といった種類の降圧剤は、この仕組みを妨害することで効果を発揮します。また塩(塩化ナトリウム)を摂り過ぎると血圧が上がるのは、この系がナトリウム量の調節もしているからです。
●脱水などで血液循環量が減り、血液成分が濃くなったのを脳の視床下部が感知すると、腎臓がレニンという物質を分泌。
●レニンの働きで作られたアンジオテンシンⅠがACEによってアンジオテンシンⅡとなり、血管収縮をひき起こして血圧が上昇。
●アンジオテンシンⅡは副腎でアルドステロン分泌も促進。アルドステロンが腎臓でナトリウムの再吸収を促すのに伴い、水分の再吸収も促される結果、血液量が増加し、血圧が上昇。
●血液量が増えて血液が薄まるのを感知すると、レニンの分泌は抑制される。
●腎臓の糸球体が血圧上昇を感知すると、レニンの分泌は抑制される。