全国の基幹的医療機関に配置されている『ロハス・メディカル』の発行元が、
その経験と人的ネットワークを生かし、科学的根拠のある健康情報を厳選してお届けするサイトです。
情報は大きく8つのカテゴリーに分類され、右上のカテゴリーボタンから、それぞれのページへ移動できます。
なぜ行政を信用できないか~阿部光裕和尚の話
ここからは質疑応答。
上昌広・東大医科研特任教授(司会)せっかくですから、会場から何か? かなり本質的な議論だったですから。
私、被災地に入っていて福島県といっても、福島市と相馬市と川内村というのは全く違うんですよね。全く違って、多分一番悲惨なのは福島市と郡山ですよね。
阿部 うちの近くについこの間も140万マイクロのホットスポットがありました。それがいまだにある。普通に道端ですよ。側溝でもなくて。道端にあるんですね。
上 放射能もそうなんですけど、町としての合意形成の仕組みは福島市にはないですね。みんなワイワイガヤガヤ「県がやるべきだ」「国がやるべきだ」と言って。実は阿部和尚というのは、単なるクレーマーじゃなくて、地域の絶大な信頼を集めている方なんです。今日医学の話で、実は仙台市内で今度医学部新設の動きがございます。仙台厚生病院と東北福祉大学。東北福祉大の運営母体は曹洞宗なんです。曹洞宗の本部を突き上げているのは阿部和尚のような福祉大と関係のない禅宗の高僧たちが動いているんです。地域の復興のために人材作りだって。絶大な信頼を集めている方なんですが、この和尚さんがここまで言わなきゃいけない状況に福島市内はなっています。
という理解で良いんですよね?
阿部 はい、結構です。
上 ちょっと訊きたいですね。市長から見てどこが違うんですか? 相馬市と福島市というのは?
立谷秀清・相馬市長 私は、つるりん和尚とお酒を飲みますけど、福島市長は飲まないんでないか? その違いじゃないかな?
上 本質的な議論ですね。本質的なんですよ。会話しないんですよ。
阿部 そうですね。瀬戸市長と言うんですけど、私は瀬戸際市長と呼んでいます。自民党なんですけどね。
上 さっきの立谷市長の意見は多分本当に本質的だと思います。隣にいても会話をしないというのもありますよね。どうすればよいんですか? 和尚から見て?
阿部 実際はね、非常によく動き出しています。地域の人たちが共に除染をして動き出しています。除染をするとどういうリスクがあるのかというのは、一応管理をきちんとしているつもりです。それぞれに線量計を1日の1時間毎にどのような作業をすればどの位になるのかというのをちゃんと管理してそれを超えるような時は、もう来ないで下さいというようにやっております。そして、若い子にはさせません。若い子には計測とか計測の補助でこうやります。一番は測ることだと思っております。相馬市は全然低いですよね? 福島市なんかに比べたら。あるいは南相馬も低いですよ。福島市は異常に高いです。しかし、県庁所在地なんで、高い高いと言うとみんな逃げていなくなっちゃいますから、やはりそれを嫌うんですね。そういうことだろうと思います。駅前に御用があったらぜひ線量計を持っていって、その辺の端の土を測ってみて下さい。きれいに10を超えます。それを掃除しないで、「お祭りをやろう」ということを言うものですから、「いいかげんにしなさい」と言いたくなるわけであります。
(後略)