※１...小麦やライ麦、大麦などの穀物に含まれているタンパク質。詳しくは、小麦粉等にはグリアジンとグルテニンという2種類のタンパク質が含まれていて、水を加えてよくこねると両たんぱく質が絡み合って、粘りや弾力性のあるグルテンになる。グルテンを摂取することで、セリアック病やグルテン感受性、小麦アレルギーなどが引き起こされる場合もある。

※２...アミノ酸はたんぱく質の構成要素で、水が作用して起こる加水分解によってできる。たんぱく質を構成している20種類のアミノ酸のうち、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、ヒスチジン、トレオニンの9種は人が体内で生合成できないため、食事から摂取する必要があり、必須アミノ酸と呼ばれている。アミノ酸同士は、それぞれのアミノ基とカルボキシル基が連結してペプチド結合を作り、これが数個から十個程度つながったものがペプチド、さらに長い鎖のようにつながったものがポリペプチド。通常はタンパク質とは呼べない程度の比較的分子量の低いアミノ酸重合体をポリペプチドと呼び、分子量が5000以上になるとタンパク質と呼ぶ（タンパク質はポリペプチドの一種）。

※３...腎臓の慢性の病気のために腎臓の機能が低下し、機能が正常時の30％以下程度に落ちた状態。腎臓が尿をつくって老廃物、水分、電解質などを排泄することで、体の中の恒常性が保たれているため、この機能がうまく働かなくなると、さまざまな症状が起き、また、腎臓でのホルモン分泌、ビタミンDの活性化も阻害される。慢性腎不全は何年もかかって腎臓の機能が低下して行くため、腎臓が障害される程度によって症状の出方、治療法も異なる。

※４...小腸は十二指腸、空腸、回腸からなり、内壁には上皮から粘膜下層まで含むヒダがあって、吸収面積を広げている。上皮の突出する部分がブドウ糖などの栄養吸収を司る絨毛で、落ち込んだ部分が消化液の分泌を司る陰窩（腸腺）と呼ばれる。

※５...抗体が認識する抗原の一部分のこと。抗体は病原微生物や高分子物質などと結合する際、その全体を認識するわけではなく、抗原の比較的小さな一部分のみを認識して結合する。この抗体結合部分を抗原のエピトープと呼ぶ。

※６...発酵乳から同定・分離された乳由来のトリペプチド（アミノ酸3個の鎖）2種の総称。経口摂取後に腸管から吸収され、血圧を下げる効果が報告されている。

※７...グルテンによって引き起こされる自己免疫疾患。グルテン摂取後、小腸の粘膜に炎症が起こり、栄養の吸収が阻害される結果、腹部膨満感、腹痛、下痢や便秘、栄養失調、鉄欠乏性貧血、疲労、骨粗しょう症など、さまざまな臨床症状をきたす。有病率は約1％と言われ、遺伝的な要因が大きいとされている。徹底したグルテンフリーダイエットにより消化器がんなどの発生率が低くなることが報告されており、グルテンフリーダイエットは、セリアック病の方には確立された治療法と言える。

※８...非セリアックグルテン不耐症（nonceliac gluten　intolerance）とも呼ばれ、グルテンに対する過剰な免疫反応が生じるもの。セリアック病とは違って自己免疫疾患ではないものの、遺伝的要因に影響されやすいのが特徴。一般的な症状は、ガス、腹部膨満感、下痢などの胃腸障害、疲労や頭痛など様々で（多くはセリアック病に類似）、多くはグルテンフリーダイエットで改善する。

※９...BMI（Body Mass Index。身長からみた体重の割合を示す体格指数で、「体重（kg）÷身長（m）の2乗」で求められる）が、WHOでは25以上を「overweight（過体重）」、30以上を「obese（肥満）」としている。日本肥満学会ではBMI=22の場合を標準体重としており、25以上を肥満、18.5未満を低体重（やせ）としている。

※10...・インスリン分泌低下と感受性低下の二つを原因とする糖尿病。一般的に「生活習慣が悪かったので糖尿病になった」と言う場合、この2型糖尿病を指す。日本では糖尿病全体の9割を占める。2型糖尿病が発症する原因は完全に明らかではないが、遺伝的に糖尿病になりやすい体質の人（遺伝因子）が、糖尿病になりやすいような生活習慣を送ること（環境因子）の両者が関与していると考えられている。