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突発性難聴? そう思ったら違った私の場合。

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「突発性難聴になったら、全てのものを投げ捨てて、病院です」というツイートが広まっているそうです。私もかれこれ数年前、ある日突然耳鳴りと共に、耳が詰まったような感覚に襲われました。「これって突発性難聴?」と思って受診したところ、別の診断名をもらいました。

堀米香奈子 ロハス・メディア専任編集委員

当初は、耳鳴りくらいならたまにあること、とそのまま様子を見ていたのですが、数日たっても治りません。子供のことならすぐにでも病院に連れ行ったのでしょうが、自分のこととなると後回しにしがち。しかも近所の耳鼻科は毎日開院30分前から予約取りの行列ができていて、なおかつ予約時間に行っても1時間近く待たされることもある、なんとも非効率的なスタイルなので決心がつかなかったのです。受診のタイミングを見つけられないまま1週間近く経ってしまいました。

しかし調べてみると、突発性難聴を治したいなら、治療開始までのタイムリミットは1~2週間。それを過ぎると、完治が難しくなっていくというのです。このままではまずいと一念発起して、ようやく受診しました。問診など診察の後、片耳ずつ、数種類の検査をして、下った診断が「低音障害型感音難聴」でした。

「突発性難聴」くらいしか知らず、てっきりそうだと思い込んでいたので、「低音障害型感音難聴」と聞いてもピンと来ません。話を聞くと、突発性難聴よりは難聴の程度が低く、20~40代の比較的若い女性に多い、めまいも伴わないものの、再発も多い、とのこと。自分でも気になって調べてみました。(当時見たと思われる資料が今もウェブにありました。⇒こちら

ざっとまとめると、主症状は、
1.急性あるいは突発性に、耳閉塞感、耳鳴り、難聴を発症する
2.難聴は低音障害型感音性難聴である
3.難聴の原因は不明または不確実である
4.めまいを伴わない

両耳に出ることもあり、また、メニエール病に移行する例もあるようです。「低音障害型」というのは、比較的低い音のみが聞こえづらくなる、ということ。この点が、どの高さの音も聞こえづらくなることが多い突発性難聴と違います。「感音性難聴」とは、聴神経や内耳の機能に問題がある(その手前の外耳・中耳に問題があるのは「伝音性難聴」)、ということです。老人性難聴も感音性難聴の一種です。(詳しくはこちら

私の場合、片耳のみ、原因は不明で、当初はめまいもあったのですが、それは初日だけで、あとは耳鳴りと耳が詰まったような感覚と軽度の低音部の難聴のみが残ったので、メニエール病や突発性難聴でなく、「低音障害型感音性難聴」と診断されたのだと思います。

低音障害型感音性難聴は、放置していても治ることもある、とのこと。とにかくストレスと睡眠不足が一番いけない、と言われました。たしかに、睡眠不足は慢性化していました(今もですが)。程度が酷く長く続けばステロイドが処方される、とのことでしたが、私の場合、神経障害を改善する働きのあるビタミンB12のみが処方されました。実際、2週間程度で症状は改善しました。

その後、受診しなければいけないような事態には陥っていませんが、実は耳鳴りや耳が詰まったような感覚は度々生じています。再発することの内容、睡眠を良くとって、ビタミンB12を多く含む貝類やイワシなどの青魚、レバーなどを摂って体調管理に努めないといけないですね。

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