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私がかたくなに白熱電球を選び続ける理由?
今日は昨日とはうって変わってさわやかな秋晴れでしたね。青空を見ながら思い出したのが、数日前の「ハエ、青い光を当てるとなぜ死ぬ? 山梨の高校生が解明」のニュース。青い光、そういえば人にも良くないんでしたよね。
堀米香奈子 ロハス・メディカル専任編集委員
青色光でショウジョウバエが死ぬ、という発見自体は、もともと東北大が2014年に発表していて、今回はその当時に推測でしかなかったメカニズムを明らかにしたもの。高校生が証明したというのはアッパレですね。本人の資質や努力に加え、適切な指導や研究環境があったのだろうな、と想像します。
青い光と言えば、人間にも「ブルーライトは健康に良くない」という話があります。これを機に改めてブルーライト研究会のホームページで確認すると、青い光は、
ヒトの目で見ることのできる光=可視光線の中でも、もっとも波長が短く、強いエネルギーを持っており、角膜や水晶体で吸収されずに網膜まで到達します。パソコンやスマートフォンなどのLEDディスプレイやLED照明には、このブルーライトが多く含まれています。
とのこと。ざっくり言えば、細胞や遺伝子に傷をつけることで知られる紫外線の一歩手前、それに限りなく近い光ということですね。いかにも目に良くなさそうですね。
(ブルーライト研究会)
そして、ブルーライトはまた、
体内リズムを整え、健康を維持する上で重要な役割を果たしている光
でもあるとのこと。同研究会では青い光による全身への影響として、睡眠障害、肥満、がん、精神状態を挙げています。ロハス・メディカルでも以前、夜に強い光を浴びると体内時計が狂い、睡眠障害を引き起こすことや、体内時計が狂うと太ることなどを取り上げています。この体内時計を日々リセットするのが、ブルーライトたっぷりの太陽光を朝に浴びる、というごく自然な習慣。人間って本当に上手くできています。
さて、そこで気になったのが、太陽光と比べて様々な照明器具にどれくらいブルーライトが含まれるのか、ということ。分かりやすいグラフを見つけました。
(科学技術振興機構「サイエンスウィンドウ」)
ブルーライトは、横軸「波長」の380~500nm(ナノメートル)の範囲。ご覧の通り、「LED(昼白色)」ではブルーライトの割合が突出しています。「LED(電球色)」では、さすがにぐんと減っていますが、「蛍光灯」と同程度に見えます。そして注目すべきは「白熱電球」のブルーライトの割合の低さです。
実は、我が家の照明はほとんどが白熱電球です。特に、リラックス空間であるリビングや、就寝前や夜中に使う廊下やお風呂、トイレは白熱灯です。蛍光灯やLEDを使っている場所でも間接照明やスポットに白熱灯を併用しています。昔から蛍光灯と比較して白熱電球は「やわらかい」と言われてきました。色にも温かみがあります。白熱電球色の蛍光灯やLEDもありますが、何かが違う、と思っていました。完全に同じ色味は出せないですし、特にLEDの方はどうも刺激が強く感じられたのです。
その感覚はもしかしたら、イメージや先入観だけの問題でなく、含まれるブルーライトの量の違いが関係しているのかも、とグラフを見て思ってしまいました。
ただ、LEDや蛍光灯を否定しているわけではありません。朝からビシッと気合を入れて仕事や勉強に臨むためには、オフィスや学校の教室にはLEDや蛍光灯が適しているでしょう。白熱電球に比べてLEDは熱の放出がないので幅広い用途がありますし、省エネですから公共の場所やつけっ放しにするにはぴったりですよね。
しかも、電球色LEDや蛍光灯であれば、体内時計への影響は白熱電球と差を生じない、という実験結果も、日本照明工業会から報告されています。その報告書によれば、電球色の照明を選ぶ限り、一番大事なのは使い方なのだとか。起きてから14時間以降は照明が明るすぎないように配慮し、読書や勉強などの際は光が直接目に入らないよう、電気スタンドなどを使って手元だけ明るくするとよいようです。何より、夜遅くまでスマホやパソコンをいじっていてはダメですね。照明を考える前にそこを何とかしないと。反省です。