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睡眠のリテラシー25

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※情報は基本的に「ロハス・メディカル」本誌発行時点のものを掲載しております。特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。

高橋正也 独立行政法人労働安全衛生研究所作業条件適応研究グループ上席研究員

 眠りの悩みといえば、寝つきが悪い、途中で目が覚めてしまう、起きたい時刻より早くに目が覚めてしまう、ことが挙げられます。他に、ぐっすり眠った感じがない、朝起きた時に疲れている、などもあります。いずれもつらい症状で、薬を使う治療や薬によらない治療(認知行動療法など)が行われています。

 このような眠り始めと眠っている時の悩みに加えて、起きる時の悩み、つまり寝覚めの問題も少なくありません。今のところ、寝覚めを良くするための薬は私の知る限り、世の中にないと思います。朝起きたまではよいのですが、頭がボーッとして、なかなかシャキッとしないことは、皆さんはどのくらいありますか。

 多くの人は目覚めるために、時計の力を借ります。なかには、家族の誰かに起こしてもらう方や、最近ですとケータイのアラームに頼る方もいらっしゃるかもしれません。いずれにしても、そのような外部の手助けがなくてはなりません。

 ところが、目覚まし時計などがなくても、望んだ時刻にきちんと起きられる方がいらっしゃいます。寝る前に、例えば「明日は朝6時に起きる」と自分に言い聞かせます。すると、本当に6時頃に起きることができます。これは素晴らしい能力です。

 自分の力で起きた時は、外部の力で起きた時に比べて、寝覚めがとても良くなります。このことは自覚的にもそうですし、様々な検査からも確かめられています。では、なぜそうなるのでしょうか。

 詳しいところは分かっていませんが、恐らく、寝る前の"自己暗示"によって、自分の決めた時刻に自然に目が覚めるよう、身体がうまく準備するのではないかと考えられています。

 ドイツで面白い実験が行われました。ある一群は寝る前に、「明朝は6時に起こします」と伝えられ、もう一群は「明朝は9時に起こします」と伝えられます。睡眠中には、眠りを妨げないようにしながら、私たちを活動的にさせる物質(活動ホルモン)を測りました。

 両群の間で比べると、活動ホルモンは朝の4時半頃までは差がありませんでした。しかし、それを過ぎると、6時起床群では活動ホルモンがしだいに増え始めました。それに対して、9時に起こすと伝えられながら実際には朝6時に起こされた群では、このホルモンは急激に上昇しました。予定外の無理やりの起床によって、身体が慌てたのでしょう。

 寝る前の暗示がどのように処理されて、起きる前の身体の準備につながり、望む時刻に起きられるのかは、まだ明らかになっていません。ただ、自分の力で起きた特典は、起きた直後ばかりでなく、その日の昼間にも現れます。例えば、午後の眠気が少なくなったり、作業能力が高まったりします。

 起き方を工夫すれば、その一日が快適になるというのは、なんとも魅力的です。今後の研究が待たれます。

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