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運動不足 なぜ悪い?

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※情報は基本的に「ロハス・メディカル」本誌発行時点のものを掲載しております。特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。


毎日歩く、それでよいらしい

 前項で理屈を色々と並べましたが、人間の体は非常に複雑で、本当のところはよく分からないことの方が多いのです。この前提に立ち、現代医学では理屈があろうがなかろうが、大勢の人間を対象に検討した疫学的データが出てきて初めて真実らしいと認められる、という話は前々回の特集「病気とは何か」に記した通りです。
 それでは、運動不足が健康に悪いという疫学データはあるのでしょうか。
 この観点で探してみると、定期的に運動をするとリスクが下がるという逆の言い方(ポジティブ・シンキングですね)の研究データは、90年代以降、性別に関係なく次から次へと発表されています。
 一番直接的なご利益では、定期的な運動で死亡率が下がるという疫学データがいくつかあります。研究ごとに幅はありますが、下がる率は30~40%といったところで、バカになりません。
 その亡率に影響を与えているであろうものとして、いくつかの疾患の発症リスクが下がるという研究も多くあります。
[がん]
 意外かもしれませんが、リスク軽減率の高いものとして、まず最初に腸や子宮、肺、乳、前立腺などのがん発症が挙げられます。効果の少ないもので10%、多いものではなんと70%下がるというデータが出ています。
[心血管疾患]
 続いて、前項の理屈からすぐに連想される心血管疾患の発症リスクも下がります。念のために補足しておきますと、心血管疾患とは動脈に何か異常があって起きる心臓発作や脳卒中の総称です。10~30%程度下がるようです。
[糖尿病]
 もう少し上流にさかのぼると、2型糖尿病の発症リスクも20~30%程度下がります。
[その他]
 他に、骨粗しょう症や転倒外傷、精神疾患の発症リスクが下がるのでないかという研究もあります。

「運動」の定義がまだでした。

 ここまで皆さんの一番知りたいであろうことを説明せずに来ました。様々なリスクを下げる「運動」とは、いったいどの程度のものなのでしょう。それが分からないことには、実践しようもありませんよね。
 でも、実は研究によって、どの程度の運動で線を引くかの基準がバラバラ(お国柄などもあります)。運動強度と効果の関係についても諸説あって、なかなか明確に示すのが難しいのです。
 何事も過ぎたるはなお及ばざるが如し。既に疾患を抱えている方は、必ず医師と相談してから始めてくださいね。

適度な運動とは  既に疾病を抱えている方々にとって、力んだり、踏んばったり、スピードが速かったり、はたまた勝敗を競ったりするような運動は、かえって体に毒となる可能性があります。  ハッキリと言えるのは、楽に感じる程度のものでよいので、できるだけ毎日続けた方がよいということです。具体的に言えば、歩くことになるでしょうか。  1月末には、日本の成人全員が毎日3千歩ずつ(2km、30分程度)余計に歩くと、医療費が年1600億円ないし2700億円減るという研究も報道されました。自分の健康に役立って、国家財政の助けにもなる、素晴らしいではありませんか。
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