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毒か薬かアルコール

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※情報は基本的に「ロハス・メディカル」本誌発行時点のものを掲載しております。特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。


なぜ適量で済ませられないのか

 ここまでのことから健康に関して教訓を引き出そうとするなら、要するに適量にしましょうということに尽きます。ただ、そんなことは皆さん言われなくても分かっていますよね。なぜ飲み過ぎてしまうのか、原因をきちんと把握して、一つひとつ丁寧に対処した方が建設的です。
 まずは、アルコールの量を自分で把握するのが意外と難しいという問題です。家などで瓶や缶から飲んでいる場合は別ですが、外で飲んでいる時など、頼りになるのは自分の感覚だけという場合もありますよね。
 ところが、飲酒してから酔いが回ってくるまでには、アルコールが胃腸から吸収され、肝臓を経由して脳に到達するというまでの時間として、30分から1時間かかります。逆に言うと、酔いが自覚されない飲み始めのうちに、自制のタガが外れてしまうくらいの量を飲んでしまっている可能性もあるわけです。
 今まさに真夏ですから、そんな飲み方ができるわけないだろうとの声も聞こえてきそうですが、あえて申し上げるならば、最初の1時間かけてゆっくり「適量」飲むということを心がけてみると、飲みすぎずに済むかもしれません。
 時間差とは別に摂取総量が増える要因として、薬剤耐性の問題もあります。他の薬と同様、アルコールについても、常用することによって効き目が悪くなることが知られています。
 つまり、快感を得るための最低限の量が多くなってしまうのです。効き目が悪いからといって代謝する負担まで低くなるわけではありません。
 耐性は、下手をするとその先にアルコール依存症が待ち受ける危険な状態です。耐性が出てこないように上手に飲む必要がありますが、そのためには常用しないことが必要で、つまりやるべきは、週に何日か休肝日を作るということになります。単に肝臓のためだけでなく、いろいろな意味で大切なんですね。
59-1.4.JPG このほか、いったん心地よい酔いの状態に入ると、その楽しさを維持しようとして杯を重ねてしまうというのも、ありがちなパターンだと思います。これを防ぐには、肝臓がアルコール処理できるスピード(表)をよく把握して、それ以上のペースで飲まないということを心がけましょう。
 標準男性を例に上手な飲み方を具体的に示すならば、ほろ良い期を超えてしまわないように、飲み始めの1時間に日本酒なら2合まで(ご自分の『適量』については、前項の換算式を参照してください)。その後は1時間につき日本酒0.5合のペースとなります。現在の飲み方より随分遅いと思いますが、とにかくゆっくりが王道です。
 なお、ゆっくり飲むと時間を持て余すからと喫煙するのは論外です。様々な発症リスクを一気に1ケタ上げてしまいます。要は、喋ったり、食べたりしていれば、自然とゆっくり飲むことになるわけですから、できるだけ知人・友人と一緒に楽しく食事しながら飲むというのがいいですね。

薬飲んだら酒飲むな  肝臓は、体内にアルコールが入ってくると、最優先で処理します。他に肝臓で処理されるべきものがあった場合も、それは後回しにされるため、トラブルが起きる可能性もあります。最も危険なのは、肝臓で代謝されるはずの薬が処理されすに残り、血中濃度が高くなってしまう可能性です。  同様に、スポーツをした後も、本来であれば筋肉修復の材料を血中に供給しなければならない肝臓がアルコール処理に回るため、材料が足りなくなって筋肉が十分に修復されない(ケガしやすくなる)ということが起こり得ます。運動後3時間は飲まない方がよいでしょう。
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