全国の基幹的医療機関に配置されている『ロハス・メディカル』の発行元が、
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楽しくなければ健康の意味がない

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 9日付の毎日新聞報道によると、DeNAがWELQの再開を断念したそうです。

 記事中の分析が奮っていて

医師による監修などの質向上の仕組みを整えればコストがかかる。このため、医療健康分野ではメディア事業が成り立たないと判断したとみられる。

とのこと。

 複雑な気持ちになります。

ロハス・メディカル編集発行人 川口恭

 私たちは、正確な医療健康情報を分かりやすく伝えることをめざし、医療機関配置の月刊医療情報誌『ロハス・メディカル』を作ってきました。来週発行の144号で、創刊から丁度暦が1周します。

医療健康分野ではメディア事業が成り立たない
ことを思い知らされてきた日々です。


 一般論では、社会の医療・健康情報へのニーズは極めて高いです。しかし、真面目にやると事業として成立せず、勢いのあるメディアはデマ発信装置ばかり。なぜか。それをずっと考え続けてきました。

 最近、身も蓋もない結論に辿り着きました。

 「正確な情報」という出発点が間違っていました。

 誤解を恐れずに書くならば、医療業界が伝えたい「正確な情報」と、一般の人の知りたい情報との間には相当に乖離があります。

 それは、医療が実際にできることと、一般の人が医療に期待することとの間に相当の乖離がある(ロハス・メディカル2016年9月号参照)、その実情に相似です。

 一般の人にとって、人生の目的を達するための手段として健康があるんであって、健康そのものが目的ではありません。健康になるのは、何か楽しいことのためであって、何も楽しいことがないのに健康になろうと思えるはずがありません。健康になるため楽しいことを我慢しなければならない、そんな情報を、わざわざ求めて見る人がどこにいるでしょう。

 12年もやって、ようやくそんな簡単なこと、出発点の間違いに気づいたというのは情けない限りですが、勘違いしていることに気づきさえすれば修正のしようはある、とも思います。

 もちろん今さらデマ発信装置としてやり直すつもりは毛頭ありません。「正確な医療健康情報」を人々が欲する形に加工し直して届ける、そのチャレンジをしたいと考えます。その場として本サイトを再始動させました。

 先ほど書いた勘違いは、医療従事者の中にも蔓延していると思います。今はささやかな取り組みですが、医療の形そのものを問い直すことにつながればいいなあ、と結構大きなことを考えています。


  • 患者と医療従事者の自律をサポートする医療と健康の院内情報誌 ロハス・メディカル
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