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無痛分娩で「なんで麻酔科医の話?」と思っている人へ

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無痛分娩に関するニュースが世間を騒がせていますが、医師の体制について麻酔科医の話が出てきて、「産婦人科のことなのに麻酔科医ってどういう意味?」と思っている人もいるのではないでしょうか。医療に全く興味がなければ、産婦人科のことは産婦人科医だけでなんとかなると思っている人がいてもおかしくないと思うので。実は私も、医療記者になるまで麻酔科医について知りませんでした(漫画のブラックジャックは一人で全部こなしていたので...)。

ロハス・メディカル論説委員 熊田梨恵

一般には知らない人も多いと思いますが、産婦人科は診療科としては外科系に分類されます。帝王切開もそうですし、出産時にトラブルが起こってそのまま手術になるという場合もあります。その場合、麻酔が必要になるので産婦人科医と麻酔科医の連携は重要です。

麻酔科医はすべての手術(帝王切開などのお産も含む)に関わり、患者にとっての命綱となる非常に重要な存在です。手術中、患者は麻酔科医に命を預けているといっても過言ではないでしょう。手術というとメディアでは外科医にスポットが当たりがちですが、彼らの活躍は麻酔科医の存在あってこそです。以前麻酔科医の役割(ロハス・メディカル2009年9月号)について書いていたので、「麻酔科医って何?」と思っている方がいたらぜひ知ってもらいたいと思います。(個人的に漫画の「麻酔科医ハナ」も面白いです)麻酔科医がどれほど大切な役割を果たしているかを知ったら、医療への見方が少し変わるのではないかと思います。ちなみに歯科にも麻酔科医がいます。

ただ、記事にもあるように麻酔科医は全国的に不足しているため、内容によっては外科医や産婦人科医など外科系の医師が麻酔を行うことはよくあります。

今回報道されている無痛分娩については、田辺瀬良美都立多摩総合医療センター麻酔科医長の記事「無痛分娩、過度に恐れる必要はありません 麻酔科医の視点から」に非常にわかりやすく書かれているので、ぜひ参考にして頂きたいと思います。

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