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絵で見て分かる生活習慣病② 蓄えを使うホルモン貯めるホルモン
※情報は基本的に「ロハス・メディカル」本誌発行時点のものを掲載しております。特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。
前回、生活習慣病は「ホメオスタシスの破たん」と表現しました。今回は、ホメオスタシスを担う重要な要素である、ホルモンに着目します。栄養備蓄をエネルギーに変えようと働くホルモンもあれば、せっせと備蓄しようとするホルモンもあります。
監修/小田原雅人 東京医科大学主任教授
(図表類は、クリックしていただくと、鮮明なものが出てきます)
体は空腹時も食事後も、できるだけ体内の状態を一定に保とうとします。このホメオスタシスを支える重要な調整役が、ホルモン※です。
食べ物が入ってこない状態が続くと、特に、一番効率のよいエネルギー源であるブドウ糖の血中濃度(血糖値)が低下してきます。すると、体は「エネルギーが足りない」と判断。複数の臓器・器官から、備蓄を分解し供給するよう働きかける「異化ホルモン」が大放出されます。
異化ホルモンはまず、肝臓でグリコーゲンからブドウ糖を作らせます。それが血中に放たれて血糖値が上がります。それでも足りなければ、脂肪細胞から脂肪酸を放出させ、さらには筋肉からアミノ酸を供給させて肝臓での糖新生を促進します。
一方、栄養が体内に豊富に入ってきた場合、体は飢餓に備えて少しでも備蓄しようとします。そのために分泌されるのが「同化ホルモン」で、ちょうど異化ホルモンと逆の働きをします。
同化ホルモンの代表格は、インスリンです。実は、栄養過剰を背景とした生活習慣病には、このインスリンが大きく関わっているのです。