全国の基幹的医療機関に配置されている『ロハス・メディカル』の発行元が、
その経験と人的ネットワークを生かし、科学的根拠のある健康情報を厳選してお届けするサイトです。
情報は大きく8つのカテゴリーに分類され、右上のカテゴリーボタンから、それぞれのページへ移動できます。
国会事故調で言う『人災』とは何か 【特別講演会のお知らせ】
健康医療開発機構から表題のようなご案内をいただきました。非常に面白そうです。興味ございます方は奮ってどうぞ。
(詳細は以下に)
日時: 2013年4月25日(木) 午後6時半から8時半
場所: 学士会館 320号室 (定員100名)
参加費: ¥2,000 (会員無料)
講師: 横山禎徳 国会事故調委員、社会システム・デザイナー
コメンテーター: 大熊孝 新潟大学名誉教授
内山節 哲学者、立教大学教授
色平哲郎 佐久総合病院地域ケア科
谷口正次 資源・環境ジャーナリスト
コーディネーター:土屋了介、(財)がん研究会業務執行理事
当機構理事の横山禎徳氏が実際に委員として携わった国会事故調および報告書について社会システム・デザイン的な観点からお話をしていただきます。また、後半は4名のコメンテーターの方々にもご参加いただき、原発の問題点を一つのモデルケースとして日本の社会が抱える社会システムの問題をさまざまな角度から議論していきたいと考えています。
《講演概要》
■国会事故調と『国会事故調報告書』について
「事故調」というのは、「政府事故調」、「国会事故調」、「民間事故調」、「東電事故調」があり、そして大前さんの「一人事故調」があります(笑)。それぞれの立場があると思いますが、「国会事故調」は国会に委託された作業であり、その先に国民がいる、ということです。
それで、「国会事故調」は他の「事故調」とどこが違うのかというと、「国会事故調法」という法律が特別に作られたことです。法律に則ってやり、法律に書いてあることしかできません。良い面と悪い面があります。その法律には、第12条に「請求権」というのがあり、資料の提出を要求することができ、当該要求を受けた者はそれに応じなければいけません。
また、第15条には「国政調査権」というのもあります。「国政調査権」は国会事故調が発動するのではなく、国会に行って国会が発動するもので、実際には「国政調査権」は使いませんでした。第12条の「請求権」はかなり使いました。東電の資料は、見なければいけないものはまず全部見たと思ってください。持ち出し厳禁の資料は、東電の部屋を借り、担当のチームが全部見ました。ビデオも全部見ています。
電事連(電気事業連合会)にも、「資料を出してくれ」と要求しましたが最初は拒否され、結構もめましたが、最終的にはこの「請求権」を行使して、原発に関係ない記録以外は全部出していただきました。
そういう意味では、かなりの資料を見ましたし、考えられる関係者にはほとんどインタビューしました。例えば東電でかなりの被曝をした社員が数名いましたが、彼らにもインタビューしました。
このように、最も幅広く、普通出さない資料も出してもらったということで、かなり網羅的に調査できたと思います。その結果が『国会事故調報告書』です。
『国会事故調報告書』は、委員長の黒川清さんの「はじめに」を含めて英語に全訳されたのですが、この「Preface」中に「この事故はJapanese Cultureだ」、「Made in Japanの事故である」と訳されました。彼の意志なのかどうなのか、"Japanese Culture"と"Made in Japan"という表現は日本語版にはありません。
私は作業が終わってアメリカにいたときアメリカ人と話しをしたら、「ちょっと自己憐憫がひど過ぎるんじゃないの?」、「何でそこまで言うの?」と言われました。ジェラルド・カーティスという日本にいるアメリカ人の政治学者がいますが、彼は「原因が日本のCultureだったら何も変えられないじゃないか。Cultureのせいにするな」と『Financial Times』で批判しています。
"Made in Japan"というのもおかしな話です。あるアメリカ人は「原発事故の原因を"Made in Japan"だと言うんだったら"Made in USA"も同じだよ。"Made in France"も多分同じだろうし、"Made in Korea"もそうじゃないの。皆、隠蔽体質なんだよ、この原発分野は」と言いました。だから、"Made in Japan"というのもあまりいい表現ではなかったと私は思います。
私は、「社会システム」の問題だと思います。つまり、文化は変えられないが「社会システム」 だったらそれを自国の文化に沿って作り直せばいいのです。何でそう言わないのかな、と私は思ったのですが、私の専門である「社会システム・デザイン」という考え方は他の委員には受け入れられないようなので、委員会で主張することはやめておきました。しかし、本日は「社会システム・デザイン」的な観点から原発の問題をお話しします。それはこの「国会事故調」、あるはその他の事故調の報告をうけて、今後、日本としてどういうステップで原発という課題を議論し、意思決定すべきかを考えることにつながると思うからです。
※参加ご希望の方は健康医療開発機構事務局までご連絡下さい。
また、この特別講演会とは別に『第23回健康医療ネットワークセミナー』として、『脂肪分解タンパク質AIMは様々な現代病の要(かなめ)である』という講演も開催するそうです。こちらのお申し込みも上の事務局までご連絡ください。
日時: 2013年4月17日(水) 午後6時半から8時半
場所: 東京大学医科学研究所 1号館1階 講堂
講師: 東京大学大学院医学系研究科摂関生命工学センター病態医科学部門教授 宮崎徹先生
会費: 1,000円(NPO健康医療開発機構会員、学生は無料)
(詳細は次頁)