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体内時計の混乱が肥満を招く
※1・・・脳の奥深いところに位置し、自律機能(交感神経・副交感神経、内分泌機能)の総合的に調節する中枢。体温調節中枢、下垂体ホルモンの調節中枢、浸透圧受容器などがあるほか、食べる、飲む、性行動、睡眠などの本能行動の中枢でもあり、怒りや不安などの情動行動の中枢でもある。
※2・・・脳の視床下部(※1)にある神経細胞の集団からなる小さな核。
※3・・・間脳の中にある分泌器官。睡眠の調整や抗酸化作用のあるホルモン「メラトニン」の生成機能があることが知られている。人間の場合グリーンピースほどのサイズで赤灰色をしているが、成長するにつれて退化し成人になるとほとんどが石炭化してしまう。
※4・・・細胞質に脂肪滴と呼ばれる脂肪のかたまりをもっている細胞。白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞の2つに大別されるが、ほとんどは白色脂肪細胞で、大きな脂肪滴が一つあって脂肪をたくわえる役割をしている。褐色脂肪細胞には中小の脂肪滴が多数あって脂肪を燃焼して熱を産生するが、首や肩甲骨のまわりなど体のごく一部にしかない上、成長するにつれて少なくなる。
※5・・・概日リズム(体内時計)をつかさどる遺伝子群。
※6・・・不眠症をはじめ、いびきや寝言まで睡眠に関する悩みをすべて含む言葉で、睡眠障害国際分類では88種類挙げられている。訴えとして最も多い不眠症には、寝付けない入眠障害、途中で目覚めてしまう中途覚醒、朝早く目覚めてしまう早朝覚醒、ぐっすり眠れない熟眠障害の4タイプがある。
※7・・・約24時間周期で変動する生理現象で、動物、植物、菌類、藻類などほとんどの生物に存在している。
※8・・・夜遅い食事が習慣化することでレプチン(※9)の作用が低下し、これに伴って血糖値や中性脂肪の値が上昇しやすくなり、太りやすくなること。メタボリックシンドロームをまねく原因の一つと考えられている。
※9・・・脂肪細胞が分泌する物質の一種で、食欲の抑制やエネルギー代謝の亢進など、メタボリックシンドロームの予防において善玉の働きをしている。レプチンの作用が低下すると、血糖値や中性脂肪の値が上昇しやすくなる。
※10・・・(トリグリセライド)人間の体内にある脂肪のうち、いちばん多く、貯蔵型のエネルギーになっているもの。
※11・・・血液中に溶け込んだブドウ糖。その濃度を血糖値と呼び、食後は誰しも若干高い値を示す。
※12・・・オメガ-6系の多価不飽和脂肪酸(※14)で、主に肉、卵、魚、母乳などに含まれているが、体内で合成できない必須脂肪酸であり、欧米など諸外国では乳児用調製乳にも添加されている。ただし、摂り過ぎはアレルギーや動脈硬化を引き起こすとも言われるので注意が必要。
※13・・・DHA(※13)と並び、オメガ-3脂肪酸の多価不飽和脂肪酸(※14)の1つ(オメガ-3脂肪酸は、生理活性の強いオメガ-6脂肪酸と競合することで、免疫や凝血反応、炎症などについて過剰な反応を抑える、いわばオメガ6系統のブレーキ役として働く)。特に、EPAには血小板凝集抑制作用があることが知られ、ニシン、サバ、サケ、イワシ等の魚油に多く含まれる。なお、体内に入ったEPAは脳内に移行した後、速やかに最終的にDHAに変換されるため、DHAと対照的に脳内にはほとんど存在しない。
※14・・・脳内にもっとも豊富に存在する長鎖不飽和脂肪酸。EPA(※13)と並び、オメガ-3脂肪酸の多価不飽和脂肪酸の1つで、EPA同様、魚油に多く含まれる。DHAの摂取は血中の中性脂肪を減少させ、心臓病の危険を低減する。また、アルツハイマー型痴呆やうつ病などにもDHAの摂取は有効であると言われる一方で、DHA投与がアルツハイマー病の症状を改善しなかったとの報告や悪玉コレステロールを上昇させるとの報告もある。
※15・・・脂肪酸は脂質をつくっている成分で、その科学的構造から大きく3つに分類でき、そのうちの一つが多価不飽和脂肪酸。主に植物油や魚に多く含まれ、体の中で合成できないため食べ物からとらなければならない必須脂肪酸だが、劣化しやすい。オメガ-6系とオメガ-3系に、さらに分けられる。日本人が摂取するオメガ-6系のほとんどはリノール酸で大豆油、コーン油、サフラワー油に含まれるが、摂り過ぎはアレルギーなどの炎症と関係する。オメガ-3系には、調理油に含まれることで知られるαリノレン酸、魚類に多く含まれるエイコサペンタエン酸(EPA※13)やドコサヘキサエン酸(DHA、※14)などがある。
※16・・・すい臓から分泌されるホルモンで、血液中のブドウ糖(血糖)の濃度を調節する働きがある。分泌が低下してしまうと正常に血糖値を下げることができなくなり、糖尿病の危険性が高まる。