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認知症を知る1 きほんのき
※情報は基本的に「ロハス・メディカル」本誌発行時点のものを掲載しております。特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。
まず最初にすること
認知症の大まかなところは、何となく、ご理解いただけたかと思います。
原因となっている疾患ごとの詳しい説明は、来月から順番にしていきます。今回は、認知症のリスクを下げてくれる生活習慣=表参照=と、「ん? ひょっとして」と思った時、どうすればよいのかということだけ簡単にご紹介します。
生活習慣の方は、他の病気の予防にもつながるような当たり前の項目ばかりで、本当だろうかと思うかもしれませんが、逆に言えば騙されたとしても絶対に損はしませんから、心がけてみてはいかがでしょう。
どこに相談するか
続いて、「ん? ひょっとして」と思った時です。とにかく早めに専門家の診察を受けた方が何かとよいというのは、冒頭にも説明した通りです。認知症に関する研究は世界中で急ピッチに進められており、医療的な常識がどんどん変わっていくような時代です。きちんと最新情報を把握している医師に診てもらった方がよいでしょう。既にかかりつけ医がいるなら、紹介してもらえばよいですし、そうでない場合に認知症を専門とする医師がどこにいるか、日本認知症学会のwebサイトの専門医一覧を参照してください。
いきなり受診はハードルが高いと思うなら、公益社団法人「認知症の人と家族の会」の電話相談(0120-294-456、土日祝日を除く10時~15時)に相談してみるという手もあります。
介護保険のコーディネートを主たる業務として各市区町村に設置されている「地域包括支援センター」も、相談すれば地域の実情に即したアドバイスをもらえる可能性があります。
本人を傷つけない
認知症の厄介な点は、当人は受診の必要をあまり認めず、家族がやきもきするということです。
病識がないのに認知症の検査を受けさせられる本人が、あまり気持ちよくないことは想像に難くありません。
本人が受診を嫌がる場合は、「物忘れの検査」という表現にすると抵抗感が和らぐようです。その際は、担当医が話を合わせてくれるよう、事前にその旨を伝えておくとよいでしょう。
また、本人がいる場で、医師にその異常を説明しなくても済むよう、受診に至った経緯・経過を記したメモを用意し、診療科の受付にそれを渡して、診察前に担当医に読んでおいてくれるよう頼むのもよい手です。
認知症と車の運転 認知症の患者は、同年齢の健常者に比べて、2.5~4.7倍、自動車を運転している時に事故を起こしやすいと報告されています。▽2002年の道路交通法改正で、認知症は免許取り消しの対象となりました。しかし本人や家族が申請しない限り、事故を起こすまで気づかれないことがほとんどです。本人に異常の自覚がなく免許返納を拒む場合も多いため、社会のシステムとして対策が急がれます。