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国立成育医療研究センターが「子どもの気管切開なび」開設
国立成育医療研究センターが子どもの気管切開についての正しい知識を普及啓発するため、「子どもの気管切開なび」を開設した。
成人もそうだが、気管切開については真偽不明の情報がインターネット上などに出回っている。ネット上では体験談と一般論が混ざっていたり、噂程度の話が事実かのように書かれていたりするなど、信頼できる情報を得ようと思っても見分けるのが難しい。このサイトでは、医療情報だけでなく、保育園・幼稚園に関すること、就学のステップや生活上の工夫などについても書かれ、日常生活に必要な情報もある。気管切開の子どものいる親の体験談なども掲載されている。
ロハス・メディカル論説委員 熊田梨恵
毎日新聞の紹介記事
「国立成育医療研究センター:子どもの気管切開、情報提供」
筆者が「救児の人々」の取材をしているときに、気管切開の話はよく出てきた。病気や障害など様々な原因で呼吸が難しくなり、気管切開をしたお子さんと出会った。
「救児の人々」についてのロハス・メディカルの記事
●医療は人を助け、そして人に支えられて成り立つ。(ロハス・メディカル2010年6月号)
●日々の小さな発見の積み重ねが笑顔に(ロハス・メディカル2010年7月号)
一方で、気管切開についての誤解と遭遇する場面もあった。「一度気管切開をしたら二度と喋れなくなる」「カニューレは一生付けたままになる」「ご飯を食べられない」などで、実際はそんなことはないのだが、正しい知識と触れ合う機会も普段はなかなかなく、難しいよなと思った。
気管切開について調べたいと思ったときには、ぜひこのサイトを参考にしてもらいたいと思う。
気管切開なびのポリシー (サイトから抜粋)
お子さんが気管切開をうけるということは、どんなことに気をつけて、どんな生活が待っているのか、という正しい知識を伝え、誤った知識のために社会から差別されることがないように活動をしていきます。誕生したきっかけ
「気管切開が必要です」
「お子さんに気管切開が必要です」といわれたご家族の、悲壮感ただよう顔を何度も見てきました。
子どもが気管切開を受けるということは、成人とは原因もその後の転帰も異なります。
たくさん管につながれ、動かないように寝かされていたお子さんが、気管切開することでリハビリをして元気に動くことができ、お話も出来るようになる子もいます。
もちろんいろいろな原因がありますが、子どもにとってたくさんの刺激を受けることはその後の経過にも大きな影響を与えます。「ネットで調べてみても・・」
しかし、インターネットで「気管切開」と調べても難しいことばかり書いてあって、混乱している頭の中に入ってこないでしょう。
術後に家に帰るためには、何を用意したらよいのか、それもブログなどを調べないと出てこないし、情報が少ないと思いました。「私たちの思っていることをホームページに載せてみよう。」
気管切開児のご家族も「情報が少ない」と思っていた人が多く、一緒に手伝ってくれることになりました。
でも、気管切開児にはまだ立ちはだかっている問題がありました。
気管カニューレがついていること以外、他の子と何も違いはないのに、幼稚園や小学校に入ることが格段に困難です。「気管切開の正しい知識をつけよう」
気管カニューレが入っていることが危険である、という認識は必要です。
しかし、正しい知識と正しく取り扱うことで、危険はかなり減らすことができます。
そして、気管カニューレが入っていることにより、子どもの発達レベルにあった教育をうける権利を奪ってはいけないと思います。
一度事故が起きてしまうと、途端に教育現場は混乱し、萎縮してしまいます。
我々医療者側も、集団生活に賛同できなくなってしまいます。こうしたことから、このプロジェクトは始まりました。