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中国の食料問題、供給から安全性へ その2
※1...一定期間内に国内で産み出された付加価値の総額。つまり、国内で一定期間(たとえば一年間)に生産された全ての最終財・サービスの総額。
※2...家計の消費支出に占める飲食費の割合(%)。ドイツの社会統計学者エルンスト・エンゲルが1857年の論文で発表した。一般に、食費は体力維持の関係から極端な節約が困難とされるため、エンゲル係数の値が高いほど生活水準は低いとされ(エンゲルの法則)、エンゲル係数の高低は生活水準を表す指標となっている。ただ、価格体系や生活慣習の異なる社会集団の比較には必ずしも役立たない。
※3...A型肝炎ウイルス(HAV)感染による疾患。一過性の急性肝炎が主症状。HAVは糞便中に排泄され、経口感染して広がるので、患者の発生は衛生環境に影響されやすい。A型肝炎は発展途上国では蔓延しているが、先進国では上下水道などの整備により激減している。しかしながら、HAV感染の少ない状態が長期間継続すると抗体陰性者が増加するため、日本では50歳以下での抗体陽性者は極めて少ない。最近の日本のA型肝炎では乳幼児、学童の患者はほとんど見られず、患者の高年齢化が 顕著。また、大規模な集団発生はみられないが、飲食店を介した感染や、海外渡航者の感染がみられ、ますます盛んになる国際交流、発展途上国からの輸入食料品の増加など、A型肝炎の感染予防対策は社会的に重要な問題として認識されるようになってきた。国産の不活化ワクチンが製造認可され、1995年から医療現場で使われている。
※4...代表的な腸管出血性大腸菌(病病原性大腸菌4種のうちベロ毒素を出すもの)。家畜などの糞便中に時々見られ、汚染された水や食物を介して人の口に入り感染症を起こす。感染力は非常に強く、100個程度が身体の中に入っただけでも発症する。低温に強く冷凍庫内でも生き、酸性に強くて口から入った大部分が胃酸にも負けずに生き残る一方、熱には弱く、75℃1分間の加熱で死滅。温かく栄養分と水分のあるところで盛んに増殖するため、清潔、乾燥、低温を保つことで増殖を抑えることができるが、身体の中では大腸で増殖する。他の食中毒に比べて気温の低い時期にも発生している。157感染症の症状は、激しい腹痛を伴った頻回の水様便に続く血便で、成人では感染しても無症状だったり軽い下痢で終わることが少なくないが、急に悪化して溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症(けいれんや意識障害)を起こし、命にかかわることもある。
※5...人体にとって有害な金属元素。摂取すると腎臓機能に障害が生じ、それにより骨が侵される。日本ではカドミウムによる環境汚染で発生したイタイイタイ病が問題となった。またカドミウムとその化合物はWHOの下部機関IARCよりヒトに対して発癌性があると勧告されている。ホタテガイの中腸腺(ウロ)にはカドミウムが蓄積することも知られている。
※6...腎臓の機能が低下して正常に働くなった状態。急性腎不全と慢性腎不全がある。急性腎不全は多量の出血や薬剤などが原因となって急激に腎臓の機能が低下するが、適切な治療を受ければかなりの部分は回復する。これに対して慢性腎不全では、慢性の腎臓病が徐々に悪化して腎機能が低下していくもので、慢性腎不全を治す有効な治療法はない。慢性腎不全が進行して末期腎不全に至ると腎臓の機能が極度に低下し、そのままでは生命を維持できなくなるので人工透析か腎臓移植が必要になる。
※7...骨の量が減ってスカスカになり、弱くなって骨折しやすくなる病気。日本では約1,000万人の患者がいると言われ、閉経後の女性に多く見られるほか、高齢化の進展で増える傾向にある。ちょっとしたことで骨折しやすくなり、痛みのために行動の制限が増えることで社会的に問題になっている(高齢者の寝たきりの原因の20%が骨折とされる)。若者でも、食生活の偏りや運動不足から患者が増えつつある。