全国の基幹的医療機関に配置されている『ロハス・メディカル』の発行元が、
その経験と人的ネットワークを生かし、科学的根拠のある健康情報を厳選してお届けするサイトです。
情報は大きく8つのカテゴリーに分類され、右上のカテゴリーボタンから、それぞれのページへ移動できます。

続 高脂肪・高ショ糖食と認知障害

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

※1・・・脂質の材料で、エネルギー源として大切な成分。ラードやバターなど、肉類の脂肪や乳製品の脂肪に多く含まれます。常温では固体で存在するため体の中でも固まりやすく、しかも中性脂肪やコレステロールを増加させる作用があるため、血中に増えすぎると動脈硬化の原因となる。

※2・・・砂糖(グラニュー糖や上白糖)の主成分。果糖とブドウ糖が1つずつ結合した二糖類。

※3・・・理解、判断、学習、計算、コミュニケーション、記憶、実行など、人の知的機能を総称した概念。

※4・・・大脳辺縁系の一部で、特徴的な層構造を持ち、記憶や空間学習能力に関わる。その他、虚血に対して非常に脆弱であることや、アルツハイマー病(※7)では最初の病変部位としても知られている。心理的ストレスを長期間受け続けることで、海馬の神経細胞が破壊され、萎縮することも分かっており、心的外傷後ストレス障害(PTSD)やうつ病の患者で萎縮が確認される。

※5・・・私たちは、呼吸によって酸素を体内に取り入れ、その酸素を使って食事で摂った栄養素を燃やし、エネルギーを作り出しているが、この過程で取り入れた酸素のうちごく微量が、生体内の穏やかな条件下で、反応しやすい不安定な形に変わることがある。この不安定な酸素種を総称して活性酸素と呼ぶ。活性酸素は他の物質と反応して安定になろうとする性質があり、タンパク質・脂質・核酸などと反応し、酸化して変性してしまうことがある。

※6・・・不対電子(通常、原子の周りを取り巻く電子は、2つずつペアで同じ軌道上に存在しているが、何らかの条件によって、同じ軌道上にひとつしかなくペアになる相手のない電子)を持っているために、他の分子から電子を奪い取る力が高まっている原子や分子。分子を引き離して細胞を完全に破壊してしまったり、他の分子と結合して新しい物質(異物)を産み出して生体への危険を生じさせることもある。ただし一方で、体内に侵入したウイルスや細菌等外敵の免疫系による駆逐には必要不可欠であり、血流量の局所的な調整や細胞同士の生化学的シグナルの伝達などでも重要な役割を担っている。なお、一般に活性酸素とフリーラジカルは混同されることが多いが、活性酸素にはフリーラジカルとそうでないものがある。

※7・・・異常なタンパク質が脳に蓄積して、脳の神経細胞が変性・脱落する病気。脳の萎縮が進行し、痴呆を示す。初期は「物忘れ」で始まることが多く、次第に仕事や家事に影響が出てくる程度になってくる。意欲、自発性、積極性も低下して、世の中のことや周りのことに対する興味・関心が低下してくることも特徴。最終的には寝たきりとなり、徘徊などが出てくる。DHAやEPAなど青魚に含まれる不飽和脂肪酸やビタミンBやC、Eなどの摂取が症状改善に効果があるとされる。

※8・・・主に40歳から50歳以降に発症し、ゆっくりと進行する原因不明の神経変性疾患。神経伝達物質の一つであるドーパミンが減少する事で起こると考えられている。日本での有病率は人口1,000人当たりに約1人(日本全体で10万人以上)と推定され、増加傾向と言われる。たいていは体の片側半分の異常から始まり、やがて全身へ広がる。状態を一時的に改善する薬(L-ドーパ剤、減少したドーパミンを補う事により動きをよくする薬)はあるが、副作用も多く、飲み続けると効かなくなることもある

※9・・・炎症とは、生体の細胞や組織の障害・壊死に対する一連の生体防御反応をいう。そして炎症(性)マーカーとは炎症の有無や重傷度を反映し、炎症の診断や経過観察に役立つ臨床検査の総称。炎症(性)マーカーが上昇するということは、体内で何らかの炎症反応が起きている状態だというサイン。

※10・・・血液と中枢神経系(脳、脊髄)の組織液との物質交換を制限するしくみ。簡単に言えば、血液と脳の間にある関所で、血液中の物質を簡単には脳に通さないようになっている。脳以外の組織では、毛細血管の内壁を構成する細胞を介したり、その間をぬって物質が運ばれるが、脳内の毛細血管ではその内皮細胞の隙間がずっと狭い上、血管の外側を数多くの細胞が取り囲んで物質の通過を防いでいる。分子量の小さい物質のほうが通りやすいように思われるが、必ずしもそうでない。

※11・・・Body Mass Index。身長からみた体重の割合を示す体格指数で、「体重(kg)÷身長(m)の2乗」で求められる。ただ、WHOでは25以上を「overweight」、30以上を「obese(肥満)」としているのに対し、日本肥満学会ではBMI=22の場合を標準体重としており、25以上を肥満、18.5未満を低体重としている。

※12・・・ヒトの大脳は、後頭葉、側頭葉、頭頂葉、前頭葉の四つの部分に分かれ、さらに前頭葉は運動を支配している運動野と前頭前野に分かれる。中でも前頭前野は非常に大きく発達し、脳の活動性の調節に重要な役割を果たす部位で、記憶や学習と深く関連している。生きていくための意欲や、情動に基づく記憶、実行機能などを司っており、思考や創造性を担う脳の最高中枢と考えられる一方、前頭前野に障害を来すと、周囲に対し無関心になったり、抽象的な思考ができなくなり、記憶障害や知的機能障害、認知症などが起こる。うつ状態でも、この領域の代謝や脳血流量が低下している。

 1  | 2
  • 患者と医療従事者の自律をサポートする医療と健康の院内情報誌 ロハス・メディカル
月別アーカイブ
サイト内検索