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高脂肪・高ショ糖食と認知障害

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※1・・・脂質の材料で、エネルギー源として大切な成分。ラードやバターなど、肉類の脂肪や乳製品の脂肪に多く含まれます。常温では固体で存在するため体の中でも固まりやすく、しかも中性脂肪やコレステロールを増加させる作用があるため、血中に増えすぎると動脈硬化の原因となる。

※2・・・精白。糠となる果皮、種皮、胚、胚乳表層部といった部位を除去すること。それらの部分には、食物繊維やビタミンB1をはじめとしたビタミンB群、鉄分をはじめとしたミネラルが多く含まれる。食物繊維が多いことが消化吸収をゆっくりにするため、長時間に渡って空腹感を避けさせるほか血糖値を急激に上げない(低GI、※6)ことで、健康効果が注目されている。

※3・・・単糖(糖の最小単位)を構成成分とする有機化合物の総称。生物に必要不可欠な物質であり、エネルギー源としてエネルギー代謝、代謝、骨格形成等に広く用いられる。多くは植物の光合成によって作られ、実に蓄えられる。米、小麦、蕎麦など主食となる。

※4・・・砂糖(グラニュー糖や上白糖)の主成分。果糖とブドウ糖が1つずつ結合した二糖類。

※5・・・血液内のブドウ糖の濃度。食後は誰しも若干高い値を示す。

※6・・・「GI」は、glycemic Index(血糖インデックス)の略。食べた物によって食後の血糖値が違うことから食後の血糖上昇の程度によって食べ物に点数をつけたもの。食べた物によってどれくらい血糖値が高くなるかという指標となる。つまり、低GIなら血糖値を上昇させにくい食べ物、高GIだと急上昇させる食べ物と分かる。

※7・・・ヒトや動物の脳において、欲求が満たされた時、あるいは満たされると判断した時に活性化し、「快い」という感覚を与える神経系

※8・・・大脳辺縁系の一部で、特徴的な層構造を持ち、記憶や空間学習能力に関わる。その他、虚血に対して非常に脆弱であることや、アルツハイマー病(※11)では最初の病変部位としても知られている。心理的ストレスを長期間受け続けることで、海馬の神経細胞が破壊され、萎縮することも分かっており、心的外傷後ストレス障害(PTSD)やうつ病の患者で萎縮が確認される。

※9・・・脳の活動性の調節に重要な役割を果たす部位で、記憶や学習と深く関連している。特に初めて体験する作業などで、この領域の活動が必要であり、慣れてくると別の脳の領域に任されるようになる。また、不快なストレス刺激や不安感により、活性化される。一方、前頭前野に障害を来すと、周囲に対し無関心になったり、抽象的な思考ができなくなり、記憶障害や知的機能障害、認知症などが起こる。うつ状態でも、この領域の代謝や脳血流量が低下している。

※10・・・データの偏りを軽減するため、被験者を無作為(ランダム)に「処置グループ」と「比較対照グループ」(プラセボ群など)に割り付けて実施・評価を行う試験。

※11・・・異常なタンパク質が脳に蓄積して、脳の神経細胞が変性・脱落する病気。脳の萎縮が進行し、痴呆を示す。初期は「物忘れ」で始まることが多く、次第に仕事や家事に影響が出てくる。意欲、自発性、積極性も低下して、世の中のことや周りのことに対する興味・関心が低下してくることも特徴。最終的には寝たきりとなり、徘徊などが出てくる。DHAやEPAなど青魚に含まれる不飽和脂肪酸やビタミンBやC、Eなどの摂取が症状改善に効果があるとされる。

※12・・・主に40歳から50歳以降に発症し、ゆっくりと進行する原因不明の神経変性疾患。神経伝達物質の一つであるドーパミンが減少する事で起こると考えられている。日本での有病率は人口1,000人当たりに約1人(日本全体で10万人以上)と推定され、増加傾向と言われる。たいていは体の片側半分の異常から始まり、やがて全身へ広がる。状態を一時的に改善する薬(L-ドーパ剤、減少したドーパミンを補う事により動きをよくする薬)はあるが、副作用も多く、飲み続けると効かなくなることもある。

※13・・・多動性、不注意、衝動性を症状の特徴とする発達障害もしくは行動障害。その他、時間感覚のずれ、様々な情報をまとめることが苦手などの特徴があり、日常生活に支障をもたらす。適切な治療と環境を整えることで症状の緩和も可能。脳障害の側面が強いとされ、しつけや本人の努力だけでは対処しきれないことが多い。

※14・・・脳内で分泌され、脳内の神経細胞の成長を促したり維持したりする作用をもつタンパク質。記憶や学習においても重要な働きを持つとされるほか、情動のコントロールや食欲の抑制、また認知症やうつ病の予防にも効果的であるとされる。自閉症や痛風、歯周再生への応用も研究が進められている。

※15・・・生体の酸化反応と抗酸化反応のバランスが崩れ、前者に傾いた好ましくない状態。呼吸の過程で発生する活性酸素などは、タンパク質、脂質、DNA等を害するが、体には活性酸素を解毒したり、生じた障害を修復する作用が備わっている。ところが細胞内の酵素で分解しきれない余分な活性酸素は、がんや生活習慣病、老化等さまざまな病気の原因となると言われている。

※16・・・血液と中枢神経系(脳、脊髄)の組織液との物質交換を制限するしくみ。簡単に言えば、血液と脳の間にある関所で、血液中の物質を簡単には脳に通さないようになっている。脳以外の組織では、毛細血管の内壁を構成する細胞を介したり、その間をぬって物質が運ばれるが、脳内の毛細血管ではその細胞の隙間がずっと狭い上、血管の外側を数多くの細胞が取り囲んで物質の通過を防いでいる。分子量の小さい物質のほうが通りやすいように思われるが、必ずしもそうでない。

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