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この症状 ひょっとして病気?


(番外編)このページの記事は、ロハス・メディカルブログ2009年5月25日付掲載の『皮膚のかゆみ 発疹がある場合-③症状が全身に現れるなら その3』(筆者・堀米香奈子専任編集委員)です。久住英二医師の監修は受けておりません。
皮膚のかゆみ 発疹がある場合-③症状が全身に現れるなら その3
 環状につながった大きな紅斑ができ縁に小さな水疱や丘疹が出る「体部白癬(たいぶはくせん)」、腋の下や腹部、陰部などに丘疹が出て、夜かゆみが強くなる「疥癬(かいせん)」、手の甲や、腕・脚の関節、陰部などに、紫紅色で平らに盛り上がった発疹が出る「扁平苔癬(へんぺいたいせん)」について、大まかな解説と参考になるサイトをご紹介します。

【体部白癬】 いわゆる「たむし(ぜにたむし)」です。
《症状》
 からだ(胴体)や腕、脚に、赤い小丘疹や小紅斑が出て、徐々に周りに拡がっていきます。気づいて大きくなってきた頃には、中心部は治ってきて褐色になっています。一方、紅斑の縁の部分は堤防状のように膨らんでいて、全体としては輪のようになります。縁の辺りは発赤、丘疹、小水疱のほか、うろこ状になったりかさぶたがみられたりします。正常な皮膚との境目ははっきりしています。(自己判断などでステロイド薬の誤用した場合、中心まで赤い二重、三重の紅斑になることもあります。)なお、これが股の部分にできると、「股部白癬」と呼ばれます。

《原因》
 水虫同様、カビの一種である白癬菌によるものです(この菌は皮膚の角質を栄養にしているカビですから、皮膚ならどこでも侵入する可能性があるのです)。多くの場合、本人または同居している家族等に足の水虫があります。ペットを飼育している家庭では犬や猫に寄生しているカビが原因のこともあり、この場合は特に強いかゆみを伴います。近年はスポーツ選手の間ではやったり、スポーツジムでの感染もあるようです。

 また、股部白癬は水虫に次いで多い白癬で、思春期以降から20~30代の男女に多く見られます。股周辺は体温が高く発汗も多く、下着で常時覆われているため、カビが繁殖する条件がそろっているためでしょう。女性にも多いのはパンストの常用のためと考えられます。

《対処法》
 白癬菌を殺す抗真菌剤の塗り薬により、2週間ほどで大方よくなるようです。ただ、完全に治すには約1ヵ月、根気よく塗り続けることが必要。患部が広範囲であったり、何度も再発してしまう場合には、飲み薬を用いることも。他の皮膚病と間違えてステロイドなど誤った薬を用いると症状を悪化させてしまうこともあるので、きちんと検査・診断を受けて治療を。また治療の上でも予防の上でも、皮膚を清潔に保つこと、高温多湿の環境を作らないことが大切。石鹸でよく洗い、よく乾かして風通しをよくします。うつらない、うつさないためには、タオルや衣類などを家族と共用しないこと。ペットなどからうつった場合はペットの治療もしないと再発します。

《参考サイト》
たむし(体部白癬・頑癬 がんせん) (中島医院)
患部の写真が大きく載っています。

【疥癬(かいせん)】
《症状》
 激しいかゆみが、たいてい顔と頭をのぞく全身にみられ、夜、布団の中で体が温まったときなどに激しくなります。特に胴体部、腕や脚に、赤い小さな丘疹がぽつぽつでき、小豆大くらいのしこりが見られたり、皮膚ががさがさになったりします。また指と指の間、手の平、足の裏などに水疱ができたり、手首などに"疥癬トンネル"と呼ばれる3~6ミリくらいの細長い発疹ができるのも特徴的。男性では、陰嚢に赤褐色のしこりもよく見られます。

 この通常タイプの疥癬のほかに、もっと重症の場合、アカが増えたようになり、黄ばんだカキの貝殻のようながさがさが全身のいたるところにできてしまいます(角化型疥癬)。これはステロイドの長年の使用や、がんなどで、免疫力の低下している場合、とくに高齢者に多くみられます。

《原因》
 ヒゼンダニ(疥癬虫)という、非常に小さなダニが人の皮膚に寄生しておこります。皮膚の中にトンネルを掘って増え続けます。感染してから、2週間~約1ヶ月の潜伏期間ののちに発症します。長時間、患者の肌に触れ合っていた場合や、寝具や衣類からもまれにうつります。(角化型疥癬は感染力が強く、患者のアカや寝具を短時間触れていてもうつります。潜伏期間は短くなる傾向も)。

《対処法》
 治療にはヒゼンダニを殺すことを目的とした塗り薬または飲み薬が使われます。塗り薬は、入浴して体・髪を良く洗ったうえで、通常疥癬では顔・頭を除き、耳の後ろから全身に、指の股、爪の先、陰部までしっかり塗ります。かゆいところだけちょこっと塗っても治りません。角化型疥癬では顔・頭も含めて文字通り全身に。虫や虫卵がなくなった後も、全身のかゆみやしこりが長く残ることがありますが、過剰な殺虫薬の使用は控え、新しく発疹が出ない場合は通常のかゆみ止め痒みだけで様子を見るとよいかもしれません。

 家族の対応としては、通常疥癬の場合、肌と肌が長時間触れるのを避け、入浴のタオルは一緒にしない、布団を並べて寝ない、患者の皮膚に触れたらよく手を洗う、こたつや絨毯は要注意、毎日ていねいに電気掃除機をかける、掃除機のパックは毎日取り換える、などが挙げられます。角化型疥癬の場合は患者を隔離した上で、けっして素手で皮膚に触れないようにするなど、厳重な対策が必要になります。

《参考サイト》
疥癬のおはなし (皮膚科学関連医療薬品のマルホ)
通常疥癬と角化型疥癬の違いに加え、家族の対処方もそれぞれ載っています。写真やイラストも見やすいです。

【扁平苔癬(へんぺいたいせん)】
《症状》
 かゆみとともに、小さく赤~紫色の膨らんだ発疹ができ、その後に複数の発疹がつながって、多角形で平らに盛り上がり、表面に光沢のあるうろこ状になった丘疹が見られるようになります。出やすいのは、胴体、手首の内側、脚、陰部で、体の両側に均等に現れます。皮膚をかいたり、傷ついたりすると発疹が増えるので要注意。脚に出たものは特に大きくなりやすいようです。

 なお、患者さんの約半数は、口の中や陰部などの粘膜にも生じるのが特徴です。その場合、レース状や網目状の白斑として、定型的なものは両側の頬の内側の粘膜に現れます。

《原因》
 明らかな原因は分かっていませんが、細菌やウィルスによる感染、金属アレルギー、薬剤、ストレスなどが引き金となって、体に侵入してきた異物を排除するはずののリンパ球が、皮膚の細胞を攻撃するために起こる病気と考えられるようにもなってきました。なお、薬剤により生じた場合、「扁平苔癬型薬疹(やくしん)」と呼ばれます。人から人にうつるものではありません。

《対処法》
 普通1~2年後には消えますが、長びくこともあり、患者の20%は再発します。診断は特徴的な発疹とその分布などから判断しますが、確定診断には、発疹の一部を切って顕微鏡で調べるほか、血液検査を行ったり、薬剤との関連を調べたりします。治療は、症状を引き起こした薬や化学物質を取り除いた上で、ステロイドの塗り薬が多く用いられています。かゆみ対策には抗ヒスタミン薬を用い、治りにくい場合には、ステロイド含有テープの使用や光線療法といったことも行われます。

《参考サイト》
扁平苔癬 メルクマニュアル医学百科家庭版 (万有製薬)
症状の出方や治療が詳しく載っています。

扁平苔癬 (gooヘルスケア)ポイントが短くまとまっていて読みやすいです。

扁平苔癬 (たらお皮膚科)
写真が詳しく載っています(ちょっと生々しいのでご注意を)。

 今回ご紹介したものに限らず、いずれにしても、かゆみや発疹といった症状が長引いたり、繰り返されたりする場合には、早めに皮膚科を受診してください。患部を掻いたりすると悪化するものもありますので、ご注意を。

次頁へ続きます。

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